NOVEL

勝ち組妻 Vol.6 ~平凡な女性の抱える苦しみ~

 

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わたし、いかにも庶民?というか、どこにでもいるって感じがしますよね。

 なにも語れるものがないんですよ、わたしには。

 旦那といると、周りから言われましたよ。

 

「なんで、あんなに普通の子が…。」

 

って。

 

並んで歩いていると、目立つんでしょうね。

 わたし、このとおり顔もかわいいわけではないし、スタイルも悪いですし。

 当然ですよね。

 

自慢ではないですが、旦那はお金持ちで、客観的に見て顔もいいんです。

 結婚するってなったとき、友達にはやっぱりうらやましがられました。

 

 

「玉の輿じゃん!いいなー。」

 「旦那さん、テレビに出てる人?」

 「どこで知り合ったの?」

 

露骨に聞いてこない子もいました。

 そのかわり、

 

「よかったね。」

 

って言ってくれました。

 もちろん友達はみんな思いやりのあるいい子ばかりなんですけど…。

 優しい言葉をかけられても、身の振り方には気を遣いますよね。

 

あまり、旦那のことは話さないようにしようかなって思っていました。

 どう話しても、自慢に聞こえてしまいそうで…。

 

あ、「意外」と思いました?

 わたしも実はいろいろ考えてるんですよ。

 結婚というイベントに対して、女性の心が複雑に動くものだということも、同じ女として理解できますから。

 

…いろいろ言われて、傷つかないわけじゃない。

 

でも、わたしにとって周りの人の意見なんて、どうでもいいんです。

 旦那がわたしを選んでくれた、その事実があれば満足です。

 

――騙されているんじゃないか。

 

――いつか離婚を切り出されるのではないだろうか。

 

一瞬、旦那を疑ったこともありました。

 実は、出会ってから結婚までも早かったんです。

 それもあって、なんでわたしなんだろうって思ったんです。

 

まあ、一緒に暮らし始めたら、そんな疑問も吹き飛んじゃいましたけどね。

 

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里香は笑って言う。

 

「旦那さんに愛されてるのね。」

 

ふっと笑みが消える。

 

「そのときは、そう思っていました。問題が発覚したのは、最近のことです。」

 

里香は膝の上で両手を祈るように組み、ぐっと力を入れていた。

 

 

next:1月25日更新

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