NOVEL

家にも外にも居場所がない Vol.9 ~運命の出会い~

健一さんに辛かったことを全て聞き届けて貰ったあと、私はひとつのお願いをしました。

 

「あの、健一さん」

「なんです?」

「よろしければまた話を聞いてくれませんか?」

「構いませんよ。私でよろしければいつでも」

 

それを健一さんはふたつ返事で引き受けてくれました。それからというもの、私は時間があればあの日のバーに通い健一さんとお話をしました。

彼と話してると自然と気が楽になり、どんな悩みでも話せました。

思えば、これが初めて自分から人を好きになった瞬間かもしれません。

初対面の私にでも親身にしてくれた、誰であろうと相手を思いやって行動できる人。それが健一さんでした。

 

 

Next:3月11日更新予定

 バーで出会った健一に清美は辛かったことを全て吐き出し、自分の辛さを知ってもらった。そして健一と清美は再び会う約束をする。清美は誠実な健一にだんだん惹かれ始める。