NOVEL

「Lady, Bloody Mary」~女の嫉妬~ vol.6

 

 

その後、アオイこと本名、殿村蒼はヒモ生活を送っていたが、夜は知り合いから頼まれたボーイズバーの雇われ店長をバイト感覚で続けている。

栄の街を牛耳ってからもう2年、伝説のホスト、アオイのいた頃のギラギラとした華やかさが嘘の様に、今はすっかり静かになってしまった。

アオは、今は一歩引いた目線でこの「狂乱の街」、栄を見つめていた。

 

今はボーイズバーの店長、アオだ。

バーを早めに閉め、家に帰ろうかと思っていたら上品そうなホス狂っぽくない若い子がスカウトに捕まっていた。

足が震えている、思わずアオは近寄っていった。

 

この子は不安で堪らないんだ、慣れてない素人。

スカウトが意外と粘着質で本気でタイプだったのかもしれないが、彼女の手を取り走っていた。

こんなに走ったのはいつぶりだろう。

水を互いに飲み、別れた後も暫くアオは名も知らぬ彼女のことを考えていた。

 

 

 

 

終業後、夜景が綺麗なエレベーターホールの死角になった階段辺り。

紗夜は坂間を探して、歩いていた。ふかふかした絨毯で足音はあまり響かない。

 

「ねえ、前あんなに情熱的だったじゃない」

 

ふふっという声と共に、何かが見えてくる。

嫌な予感。するとまるで坂間に襲いかかるようにリノが坂間と唇を重ねていた。

 

これが、はじめてじゃない。

受け身の坂間もついリノに魅せられるように、妖艶な顔をしていた。

 

思わず後ずさる、紗夜はそのまま場をあとにした。

心がざわざわする、翌日は遂にプレゼン発表がはじまる。

きっといけるだろうと自らの実力を知っている紗夜は自信があった。

でも、今、凄く心がざわざわと何かが音を立てて崩れていっているのだった...。

 

 

next:1月24日更新

お局美魔女リノとハイスペ男子坂間のキスシーンを目撃して、動揺を隠せない紗夜。一方、聖奈とアオは急激に運命のように引き合い・・・??