清水との3回目のデートは、ノリタケの森に来ていた。
愛沙がノリタケのティーカップを買いたいと提案した場所だ。
ランチは近くのフレンチレストランでいただいていた。
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「この本マグロのサラダ、意外と口がさっぱりしますね」
レタスとパプリカなどがマリネされたサラダは、サイコロ状のマグロが乗せられている。
ドレッシングは、オリーブオイルを基本として作られているのだろうか。
にもかかわらず、確かに油っぽさを感じさせない。
「清水さんは研究熱心ですね」
「というよりも、食べるのが好きですからね」
視線を落とし、照れたように言う。
「それに、自分の子供にも食べる楽しみを知ってほしいんです。いろんな食材を使った料理を食べさせて、食べる喜びを感じてほしい。そのためには、親である自分も楽しまなきゃね」
「…清水さんは、子供、欲しいですか」
「そりゃあ、ほしいですよ。休日はどこかへ遊びに行くのもいいですよね」
愛沙は、ここまで合わないかとがっかりした。
「わたしは、子供は望みません。夫婦二人で、休日は海外旅行をしたり別荘でゆっくりしたりしたいです」
清水は一瞬驚いた顔をしたが、苦笑いをして言った。
「では、愛沙さんは、結婚したら仕事もしないし子供も欲しくないということでいいですか」
愛沙は迷っていた。
〝はい″
と答えればこの関係は終わってしまうかもしれない。
清水は、愛沙の希望に叶う人物だから、逃したくはない。
両親や妹から認められたいという欲求を満たしてくれるだろう。
それに、今までで一番、一緒にいて居心地が良いと感じる。
まだ軌道修正は可能だ。