過去のSNSのチャット履歴を目にし、私は思わず過去を懐かしむ。
結婚前から結婚した当初にかけて、積み重ねてきた履歴。
それは懐かしくもあり、そして正直…虚しくもあるものだった。
よく恋愛と結婚は違うというが、これはまさにその典型のようにも思える。
翔平は間違いなく結婚により変わってしまった。
それはいつからかだろうか?
私はストレスを抱えた日々を過ごすことになってしまった.…。
そういった不満やストレスを抱えたところで、それを解消する術もない。
(もうこんな時間なのね)
泣き声を上げていた我が子をあやし終え、時計を確認したらもう、既に午前10時を回っていた。
そんな虚しき日々に、私は思わずため息をつく。
しかし、その直後、家の専属家政婦の早苗さんが私に声をかけてくる。
「奥様、どうかなされたのですか?」
「ごめんなさい、何でもないの」
心配して声をかけてきてくれたのだろうが、どう答えていいか分からず、言葉を濁す。
そんな心情を察してか、彼女はその後、こんな提案をしてきた。
「奥様、もしよろしければ気晴らしに外出してみてはいかがでしょうか?」
「え…? でも、私が外出したら早苗さんが、聡也の面倒まで見ることなってしまうし…」
「ご心配には及びません、お任せください」
とても有難い提案だった。