「ねえ、美佳さん、旦那さんとは上手くいっている?」
「はぁ、正直に言うとあまり上手くいってないです。 安奈さんの方はどうですか?」
「私の方はまぁまぁかな。少なくとも去年よりはマシね」
「去年よりは…ですか」
それとなく告げられた一言。
しかし…その直後、更なる一言が私に向けて告げられる。
「でもね、最近、夫との距離が少し縮まっているような気がしてるの」
「え…? 安奈さんもですか?」
安奈さんにそう告げられ、彼女の思いと経験が私の中で重なる。
そして…私は安奈さんと同じ人生を歩んでいるかのような…そんな奇妙な錯覚を覚えたのだった。
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安奈の自宅へと招待をうけた美佳は心のうちを安奈に話すことで徐々に心が軽くなっていった。