NOVEL

年収一億超えの妻たち vol.7~収穫~

ママ会を終え、安堵の後に得たものと、暗がりの中に差し込む一筋の光とは?


前回▶年収一億超えの妻たち vol.6~近似~

はじめから読む▶年収一億超えの妻たち vol.1~結婚記念日なのに~

 

「私もね、結婚して間もない時は美佳さんと似たような感じだったわ。共通の話題もなかったから全く会話もなくてね…」

「安奈さんも、かなり大変だったんですね。それで今は旦那さんと共通の話題とかあったりするんですか?」

「え、ええ、一応、何とか共通の趣味を持って共通の話題を話せるようにはなってる……かな」

 

少し口ごもりながら彼女は答える。

 

何か迷いでもあったのだろうか?

それとも言い難い趣味だったのかな・・・?

様々な可能性を考えつつも私は、その詳細が気になり問いかける。

 

「あの…趣味ってなんなんですか?」

 

(あ、しまった・・・早計だったかな?)

 

思いを抑えきれず、問いを発してはみたものの…言い難そうにしていたことを考えれば、この問いかけは軽率なものだったのかもしれない。

突然そんな思いが心の中を駆け巡り、バツの悪さから顔を俯かせる。

 

しかし、そんな時だった。

 

安奈さんが軽く笑いながら告げてくる。

 

「ごめんなさい、何か気を遣わせてしまったみたいね」

「い、いえ、そんなことは…」

 

図星ではあったが、それを悟られないように彼女に答えを返す。

 

「実はね、その…何というか、ちょっと子供っぽい趣味でね…。だから少し言い難かったのよ」

「そうだったんですか。あ、でしたら無理して話さなくても大丈夫ですよ?」

「ふふふ、大丈夫よ。ほんの少し恥ずかしかっただけだから」