NOVEL

夫婦のカタチ vol.7~心にくるコトバ~

そんな私に綾香さんは不思議な、だが何か納得したような表情を一瞬した後に、

「じゃぁ明日空いてるなら、旦那さんも誘ってうちの家族と6人で天白公園でバーベキューしようよ!せっかくの連休だしさ!」

と明るい声で誘ってくれた。

その場で康平に電話で伝え、すぐに明日の予定を押さえた。

 

バーベキューなんて勇希が産まれてからは初めてで私はテンションが上がるのを押さえきれなかった。

そんな私を綾香さんはどこか微笑ましく見ている。

ランチを終えて公園を散歩し、無添加野菜のマルシェで買い物をした。

帰りにはお肉とそれに合うワインやチーズなど明日の買い出しを行った。

 

遠足前日の子供に戻ったようなワクワクが、その日1日は止まらなかった。

 

-驚きの再会-

 

バーベキュー当日。

綾香さん家族とは11時にマンションのエントランスで待ち合わせをしていた。

昨日買い出しで揃えた食材や昨晩に張り切って仕込んでおいた前菜などを抱え、康平と勇希を連れてエントランスへ向かった。

 

先についていた綾香さんは初めて会う康平に挨拶すると、

「それにしても天気晴れてよかったですね!今ちょうど旦那が車を回してきますから」

と言って手際よく荷物をまとめて外に向かった。

 

ファミリーカーが地下から出てくると、どこか見覚えのある男性が運転席にいるのが見えた。

運転席から降りてくる旦那さんを見て康平と私は思わず

「えっ!?この前の!」

と声を上げて驚いてしまった。