NOVEL

夫婦のカタチ vol.7~心にくるコトバ~

お酒の強い康平があそこまで酔っ払って帰ってきたのは何年ぶりのことだろう。

仕事の付き合いではなくプライベートで飲みすぎることが珍しかったため(何かあったのか・・・)と少し心配する気持ちになった。

 


前回:夫婦のカタチvol.6~すれ違う想い~

はじめから読む:夫婦のカタチ vol.1~失ったもの~

 

-幸せへのきっかけ-

 

けれど心配と同時に、世間が3連休を家族で過ごしている姿が朝のニュースの街頭インタビューに映ると、

(うちも少しは家族サービスしてくれたっていいじゃない・・・?)

と小さな怒りのような感情も湧いてくる。

 

せっかくの3連休の中日なのに康平は二日酔いでダウン。

今日は1日寝て過ごすのだろう。

勇希と二人でいつものように過ごそうかと家事を済ませているところにスマホの通知画面が光った。

 

"おはよう!

今日午後は旦那出かけちゃうし、よかったら勇希くん連れてどこか美味しいランチ食べに、久屋大通公園まで散歩しに行かない?"

 

綾香さんからだった。

栄の賑わうところにベビーカーを引いて1人で行くのはとても心細いので、ママ友である綾香さんと一緒に行けるのはとても嬉しいお誘いだった。

何よりもせっかくの連休を楽しく過ごせることが嬉しくて、私は"行く行く!喜んで!"

とすぐに返事をした。

 

綾香さんの車で栄まで移動し、ガレットが人気のお店へ向かった。

テラス席に案内され、ベビーカーを2台並べてランチを楽しんだ。

有名店の味に舌鼓する中、綾香さんは

「連休は旦那さんお仕事?」

と聞いてきた。

「昨日まで出張で今日明日は休みなんだけどね。なんか昨日珍しく飲みすぎた様子で帰っきて、今日は今頃家でまだ横になってるはず」

「うちの旦那には家族サービスとかそういうのはあんまり期待できないみたい」

なんて康平への愚痴も一緒になって出てきてしまった。