NOVEL

夫婦のカタチvol.6~すれ違う想い~

タクシーを降りてエントランスを歩く。

タクシーの揺れで酔いがさらに回ったのか珍しく足がふらついてしまった。

 

同じエレベーターに乗り込むと男性は

「結構飲みましたね〜。せっかくですから御自宅の前までお送りしますよ。何階ですか?」

と言い、奈緒美の待つ上層階のボタンを押した。

 

玄関先まで送ってもらい

「是非また飲みましょう。僕もたまにあの店行くので」

なんて挨拶をしていると声に気づいた奈緒美が出てきた。

男性は奈緒美に軽く会釈をするとエレベーターホールの方へと帰っていった。

 

男性との出会いが今後の俺を変えるきっかけになるとは、この時はまだ夢にも思っていなかった。

 

 

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綾香に誘われランチにでかけた奈緒美はそこで綾香から家族でバーベキューに来ないかと誘われる。