姉よりも褒められる私は、いつも優越感に浸っていた。だけど、私が褒められたからって気にしない姉の様子に私は苛立ちも感じていた。姉は性格が良かったのだ。だからよく「姉妹なのに正反対だね」と言われていた。
そんな姉からの電話。定期的にLINEは送られてきていたが、電話があるのは久しぶりだった。
「何か用?」
「私、結婚することになった」
私が問いかけると、嬉しそうに答える姉の声に思わず「は?」と声が出た。自慢するために、電話をしてきたのか。
「結婚式を挙げるのはまだ先だけど、莉奈にちゃんと報告しておこうと思って。ごめんね、忙しかった?」
明らかに私の返答がおかしいのに、なぜか謝る姉。そうだ、私は姉のこういうところが嫌いだったのだ。大人げないとは思いつつ、私はイライラが止まらない。
「そっか、おめでとう。今彼氏といるから切るね」
形式だけの祝いの言葉を述べて、私は一方的に電話を切った。「彼氏がいる」なんて嘘をついて。電話を切った後の静けさが、余計に虚しく感じる。
「何で、お姉ちゃんの方が先に結婚するの?」
ずっと私の方が可愛いって言われてきたのに。私よりも劣っている姉が先に結婚したという事実。私は姉に負けたことが悔しくて仕方なかった。
「絶対に結婚してやる、お姉ちゃんの旦那さんよりも良い男と」
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