職場恋愛の脈はないな、と判断した私は外に出会いを求めることにした。
高校は男子校だったし、小中の同級生とは全く連絡を取っていないので昔の友人には頼れない。
そんな中、インターネットで婚活パーティーなる会を主宰している会社を見つけた。これだ!参加もウェブ登録で簡単だし、当日、受付に身分証明書を見せて数千円払うだけで参加できる。これでとにかく出会いの人数を増やせば誰かいい人が見つかるかもしれない。こうやってパートナーを見つけよう。自分は学歴、仕事も十分だし。身長も177センチと高身長。昔で言った3高を達成している。いい人が見つかるに違いない。
一般的な婚活パーティーは事前にWEBで申し込みを行い、ホテルの会場やカフェを貸し切って行われる。会場入り口では受付のスタッフが身分証明書の確認と会計を行い、番号と自己紹介カードをもらって中に入る。自己紹介カードとは自分のプロフィール(名前、年齢、仕事、年収、趣味、初デートで行きたい所など)を記入する用紙と自分の気に入った方に意向を伝えるカードがセットになったものだ。自分の決められた席に着いて開始までそのカードを記入する。
その時すでに向かいに女性が座っていたりするのだが、どの席も会話は全くない。男女が向かい合って何も話さず開始を待っている。
もちろん、カード記入に忙しいのもあるし、緊張していることもあるだろう。ほかには開始まで話しをしていけないのでは?という空気感とか正直「目の前の人はないな、話をしても…ほかに期待」とかいろいろ思っているのかもしれない。
結婚するまで私はこのパーティーに約50回は通った。参加者の女性は様々でナース、会社員、保育士、介護士、パート従業員など。男性は外見だけでしか判断できないが皆、スーツで会社員が多いようだった。パーティーにより年齢制限、職業や年収制限があるので雰囲気が同じような人が集まるのだろう。
中にはバスツアーやいちご狩り、バーベキューなどいろいろあったが大多数は会場で男女が向かい合って席に着き、順番に話をする形式だ。料金は男性が平均4,000円くらい、女性は500円から1,000円ぐらいと男性のほうが料金は高い。
もちろんすぐには見つからないと思っていた。でも今の自分は学生時代の自分とは違う。留学、就職と大きく成長した。
そもそも私よりステータスの低い友人や苦労している友人がどんどん結婚している。自分にできないはずはない。
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婚活パーティーへの参加を決意した主人公。何回もパーティーに参加していくうちに、徐々にある大切な事が分かってきた。