「で、そんなにイケメンなの? 写真は?」
金曜日、手洗いから戻る際にこっそり撮った写真を出してリサに見せた。
手ぶれしてしまってハッキリとは映っていないが、それでも神尾のスタイルの良さや、スーツの着こなし、雰囲気が分かるには十分だ。
「え、ぶれてる! でも、すごいイケメンっぽい。これ、ただ飲んでるだけよね?」
「そう、ただ普通に日本酒を飲んでるだけの姿」
「絵になるねぇ、俳優さんみたい。こんな人名古屋のどこにいたんだろ」
「ちょっと、既婚者なんだから狙うのやめてよ」
アユミが制すると、リサが「そういう意味じゃないって」と手を振って笑った。
その時、スマホの画面にラインの通知が届いた。
神尾だ。
『え! イルアオヤマってあの? 全然予約取れないとこだよね、なんでまた??』
混乱した様子の絵文字と共に送られてきたメッセージに、アユミはクスリと笑った。
「なに、彼?」
「そう、イルアオヤマにいるって送ったら、すごく驚いてる」
「ていうか、このお店知ってるんだね。普通のサラリーマンは絶対知らないし興味ないと思うけど、やっぱりやり手の営業マンはお店にも詳しいのかな」
感心したように言うリサに、アユミは得意げに「美味しいお店詳しいみたい」と頷いた。
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ついにハイスぺ男子・神尾と過ごす誕生日当日。2人の関係は一体どうなるのか・・・?