〝りと″からは、
〝めっちゃ美人ですね!びっくりしました!″
〝アプリしなくても彼氏できそうです″
と絶賛された。
―この人、いい感じじゃない?返信は遅めだけど…。
メッセージが遅い理由を、
〝仕事が忙しいから″
と最初に申告された。
だから、連絡が2日経ってもこないときは、モテるだろうし仕事も忙しいのだろう、と対して気に留めなかった。
〝今度お会いしませんか″
と連絡がきたとき、愛沙は密かに優越感を抱いた。
―わたしは多くの女性の中から選ばれたんだ―と。
〝りと″とは相変わらず連絡をとりながら、駒沢と2回目のデートを迎えた。
1回目のデートの後、駒沢から電話がきてデートの約束をした。
彼とは今仮交際中だ。
前回できなかったドライブをしようということになり、伊良湖岬を目指して名古屋市内を走っていた。
「今日も天気がいいね」
「本当ですね。絶好のドライブ日和ですね」
当たり障りのない会話をする。
窓の外から見える景色は、高層ビルばかりだ。
ぼんやり外を眺めていると、見覚えのある顔が目についた。
―あれ?あの人…〝りと″さん?
間違いない。
あそこまで端正な濃い顔はそうそういない。
車はタイミングよく赤信号で止まる。
―隣にいるのは誰だろう?
若いアナウンサー風の女性を連れている。
女性の腰に腕を回す〝りと″と女性は、笑顔で仲が良さそうに見えた。
どう見ても恋人の距離感だ。