仕事に行くとき旦那は、家の鍵をもっていく。今日持っていった鍵は、どうやら浮気相手の家のものだったらしい。オートロックの扉が開かず、あたふたと言い訳をする。
「あれ、拾った鍵届けに行くのわすれてた。」
そんなわけないだろー!
現在浮気18人目。(仮確定)
どうやらこのブログは、そこそこ読んでくれている人がいるようだ。こうやってほそぼそと続けられることが、里香の今の楽しみだ。
香織は車で拓海の通う幼稚園へ向かう。幼稚園へ向かう道中、これからのことを考え気分が重くなる。門の前にはいつもお迎えのお母さんたちがいて、子供たちがでてくる間おしゃべりをしている。
――いつも完璧な姿でいなくちゃ。
どこで誰に見られて、噂をされるかわからない。つねに香織は気が抜けなかった。
「こんにちは~。」
門の前にはすでに何人かのお母さん方が来ていた。それぞれ数人ずつの、いくつかのグループに固まっている。香織はできるだけ明るく笑顔であいさつする。
「あら、拓海くんママ。」
「こんにちは。」
手前にいたお母さん方が、ぺこりと軽く頭をさげてお辞儀をしてくれる。
「ちょうどいま、拓海くんのことを話してたのよ。」
拓海がまた悪いことでもしたのかとぎくりとする。
「拓海が何かご迷惑をおかけしたでしょうか…?」
恐る恐る聞くと、あっけらかんと答えられた。
「ううん。拓海くんっていつも元気で、見ていて微笑ましいなってはなし。」
「そうそう。こっちまで楽しい気分になっちゃう。」
お母さんたちがニコニコ笑いながら話す。
『拓海くんにも、いいところはあるでしょ。』 京子に言われた言葉を思い出す。