本当に恥ずかしかったのか、彼女の表情には、少なからず迷いが見受けられた。
しかし、それでも決意を固めたのか、安奈さんはおもむろに口を開く。
「笑わないでね。実は趣味というのはプラモデルの収集なのよ」
「えーと…プラモデルって、あの作る模型みたいなものですよね?」
「ええ、そのプラモデルよ。もっとも一般の模型屋に売られているようなものじゃなくて、海外から取り寄せなければならない精巧な作りのものだけどね」
「精巧・・・ですか?」
精巧なプラモデルのイメージができず、頭を悩ませる。
「そんなに気になるなら少し見てみる?」
その直後、余程、悩んでいるように見えたのか安奈さんは私を気遣うようにそう告げてきた。
「え…いいんですか?」
「ええ、見せても別に減るものじゃないしね」
「確かに減りませんね」
冗談を言い合いながらも安奈さんに完成したプラモデルの置いてある部屋に案内される。
こうして彼女の部屋に案内されたのだけど、その後に目にしたものは予想していたものとは大きく異なっていた。
一言にプラモデルといっても遺跡の建物のようなものであったり、精巧に細部まで再現された戦闘機であったりと様々…。
もはやそれは子供が作って遊ぶ、玩具としてのプラモデルではなく、実物のミニチュア品というべき代物。
高度かつ想像以上の物品を目にし、私は早苗さんと共に思わず感嘆の声を漏らす。
「驚きました。もうこれはプラモデルというより、実物のミニチュア品ですよ…?」
「早苗さんもそう感じたのね。実は私も同じことを思ってたの」