NOVEL

年収一億超えの妻たち vol.4~ママ友~

家政婦が示してくれた意外な方向。

成すべきか、成さぬべきかと迷った結果とその行動とは?

 


前回▶年収一億超えの妻たち vol.3~失望~

はじめから読む▶年収一億超えの妻たち vol.1~結婚記念日なのに~

 

(ママ会ね・・・どうしたものかしら)

 

早苗さんから同じような境遇の人と仲良くなるようにアドバイスを受けたものの正直、その方向性がよく分からない。

共通の話題も思いつかないというのに、いったいどんな話をして接点を持ったら良いのだろうか?

 

しかし、悩んだところで答えなど見つかるはずもなく…結局は行動するしかないのだと認識させられる。

 

でもどうやって声をかければいいの?

行動しようにも、どうするべきかが分からない。

 

(どうしよう?)

 

迷いと不安。

そんな思いに心を絡めとられ、どう行動するかをひたすらに考える。

 

1歳児である聡也の世話をしながら、その方法の模索に時間を費やすこと数日。

 

そして、考えに考えた末、無難な結論に達する。

その結論とは、ひとまず近所のママたちが集う公園へと足を運ぶというものだった。

 

だけど、公園に来てはみたものの、肝心の話す切っ掛けが掴めない。

裕福な人が多いここら辺りの公園とはいえ、ここに私と同じような境遇の人が果たしているのだろうか?

まったく確信を持てないまま何とか切っ掛けだけでも掴もうと、見知らぬ奥様達と挨拶を交わす。

 

しかし、やはり元々接点がないだけに、それ以上の進展はなかった。

 

(困ったわ…)

 

途方に暮れベンチに座ったまま、夫以外の新たな悩みごとに私は思わず頭を抱える。