「奈緒美さんも康平くんもお互い言葉にすることを忘れなければこの先も大丈夫だよ」
「それぞれから悩みを聞いてた分、私たち夫婦も2人が仲良く過ごしてくれたらすごい嬉しいんだから。この先も家族ぐるみで仲良くしようね!」
修司さんと綾香さんはそう言って私たち夫婦を温かく見守ってくれた。
「今日からまた新たな気持ちで奈緒美と暮らしていこうと思います」
と康平が言うと
「ならせっかくだし、付き合いたてみたいに久しぶりに2人でデートでも行ってきたら? この2年間、勇希くんのことで手一杯で奈緒美さんほとんどお出かけ行ってないでしょ?」
と綾香さんが粋な提案をしてくれた。
デートなんて響きはいつぶりだろう。
「来週の休みは1日くらい勇希くんは僕らに任せて行ってきな」
修司さんの言葉に甘えて私たちは数年ぶりのデートへ行くことが決まった。
勇希の両親である以前に、私と康平は恋人であり、夫婦であり、愛し合うパートナーである。
私たち2人が信頼しあって繋がることこそ、温かい家庭になるのだ。
そんな当たり前だけど大切なことを綾香さんと修司さん夫婦から教わった転機となる1日だった。
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腹を割って話し合って以来、夫・康平の態度に大きな変化が見られた。それに触発されるように妻・奈緒美も新たな自分になりたいと、康平にある想いを伝えることにした。