一目惚れされた男性とデートをすることになった彼氏いない歴26年の女。
デート後の彼女の胸の内は・・・
人生初のデート相手が、一目ぼれされた人と。
人生初のデート場所が、プラネタリウム。
しかも、相手はイケメンで目を惹く高身長。
一体どれだけの人が憧れる状況だろう。
シチュエーションとしては悪くない。
3人で会ったあの日、塚本と連絡先を交換した。
毎日やりとりをする中で展開は早く、その週の日曜日に、実際に二人で会う約束をした。
10時に白川公園駐車場で待ち合わせ。
名古屋市科学館で星を見たあと、ランチに行く予定だ。
塚本は車で迎えに行くと言ったが、幸枝が初デートだからまだいい、とお断りした。
いくら塚本に対して警戒心があまりないとはいえ、最初の距離感は大事だ。
10時少し前に駐車場へ着き、連絡をいれる。
〝もう着いてるよ″
という返信とともに、塚本が黒のレクサスから颯爽と降りてくる。
幸枝に向かって手を挙げる。
それに応えて幸枝も小さく手を上げると、小走りで向かってくる塚本の
服装はシンプルに明るい色でまとめられていた。
「お待たせしてすみません。」
「いや、俺も今来たところだから気にしないで。それより、服似合ってる。かわいいね。」
オフホワイトのVネックニットトップスにベージュのAラインロングスカート。
ネットでデート用のコーディネートを調べ、お手本を一式買った甲斐があった。
―意外と男性はファッションを見るんだな。
この日のために思い切って5万円するクロエのバッグも買っていてよかったかもしれない。