NOVEL

2番目の女 vol.4 〜既読にならない週末〜

不倫には覚悟が必要だ。それは「諦める」覚悟か「愛し続ける」覚悟。

不倫にハッピーエンドなんて待っていない。どっちに転んでも、バッドエンド。

「諦める」覚悟をすれば、愛する彼を失ってしまう。

「愛し続ける」覚悟をすれば、例え結ばれたとしても悪役としか見られない。

私が選ぶべきなのは、どちらの覚悟なのか。どちらにしても、ケジメをつけなければならない。

 


 前回:2番目の女 vol.3 〜既読にならない週末〜

 

翔太の家に押しかけて夜ご飯をご馳走になって以来、定期的に遊びに行くようになった。

それと同時に、平日の翔太からの連絡も増えた。平日の夜、奥さんの帰りが遅くなる日は決まって私に連絡が来ていた。

 

翔太と2人きりのときは、一夜限りの恋人のように振る舞い、翔太の家族の前では仲が良い友達を演じる。

もう、私の心はズタボロだった。だけど、翔太を嫌いになることなんてできなかった。

 

このままではダメなことくらいわかっていた。悩む私の中で天使と悪魔が囁き合う。

 

「彼の家族のためにも身を引きなさい」と天使がいえば「奪ってしまえば良いじゃん」と悪魔がいう。

どちらのいうことが正しいかなんて、頭ではわかっていた。

私が翔太のことを想い続けても、もう私に入る隙がないことくらいわかりきっている。

 

 

もしも翔太が今の家族に不満があったら、私にだって奪えたかもしれない。

だけど、翔太は幸せなのだ。

それは家族と接しているときの笑顔を見れば一目瞭然。

さらに奥さんも子供も、翔太には勿体ないくらい良い子。

何で私を求めてくるかが不思議なくらいだ。

 

 

だから、私は心に決めた。私と翔太は、友達同士に戻る。

 

例え翔太から誘われたとしても、絶対に体を重ねない。

 奥さんや海斗くんには私たちの関係が絶対バレないようにする。

 

私は、再会した日にもらったネックレスを捨てた。

今までこっそり撮った翔太の写真を消した。翔太とのメッセージや通話履歴は全部消した。

 

これが私なりのケジメ。もう、翔太との関係に終止符を打つのだ。

 

 

水曜日の18時過ぎ。いつものように翔太から連絡が来る。

いつものように私の中の悪魔が「行きなよ、どうせ奥さんにはバレないし」と囁きかける。

そんな私に天使が歯止めをかけた。「もうこの関係は止めるって決めたでしょ?」と。

 

「もう、2人きりで会うのは止めよう」