NOVEL

2番目の女 vol.10 〜既読にならない週末〜

「それでは、誓いのキスを」

 

式場の前方で口づけを交わす娘の姿に自分を重ねる。25年前と変わらず「2人で幸せでいたい」という気持ちを持ち続けられていることが、本当に幸せだ。

 

「不倫」に足を突っ込んでいたときは、自分が幸せになる未来なんて見えていなかった。ただ、翔太の傍にいられるだけで良いと思っていたのだ。だけど、不倫相手なんて所詮2番目の女。2番目の女でい続けたって、ハッピーエンドなんて待っていない。

 

これから私は、大輔くんと一緒に幸せな物語を描き進めていく。2人で幸せでいられたら、他には何もいらない。「人生」という長い物語がハッピーエンドで終わりますように。

 

 

END

 

 

前回の話▶2番目の女 vol.9 〜既読にならない週末〜

はじめから読む▶2番目の女 Vol.1 ~既読にならない週末~