「・・・おかぁ・・・さん。お帰り・・・。ごめん!起きてようと思ってたのに、寝ちゃって・・・。どうしたの?泣いてたの?」
奈緒の心配そうな眼差しが、痛かった。
大人にならなきゃと思う気持ちが急いて、どうにもならない。
何かが崩壊していくように、玲子はその場に崩れた。
その衝撃で、寝ていた裕也が大泣きを始める。
「うるさい!!!もうやめて!!!!」
咄嗟にヒステリックな声を上げてから我に返る。
「違う・・・ごめん。ごめん・・・奈緒・・・ごめんね!
こんな、お母さんで・・・ごめんね・・・」
誰に何を謝っているのか、もう玲子自身も解らなくなっていた。
―ただ、誰にも否定されたくない。―
そんな気持ちだけで、目の前に茫然と立つ奈緒に縋りつくように泣いていた。
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レジの仕事を初めて休み、息子・裕也とゆっくり過ごしたリナ。ラウンジにはいつものように出勤するもそこには何故かレイラが居て、リナに「あなたを待っていた」と告げる。