NOVEL

女の顔に化粧をするとvol.8 ~黙秘~

―島田さん、お疲れ様。今日はありがとう。またどこかでお話しできませんか?謝らなければいけないことがあれば、きちんと自覚して謝りたいです。

 

そんなメッセージを入力して、島田に送った。ただのエゴなのかもしれない。けれど、今まで島田のエゴを許さない雰囲気を私が作ってしまっていたのであれば、それは謝らなければいけない。

 

雅との関係もそうだ。私の勝手な決めつけで、雅との関係を形作っていなかっただろうか。私が勝手に頼って、勝手に離して、ちゃんと向き合っているつもりになっていたのではないだろうか。

 

この数週間の出来事は、山下課長に言われたように、全て積み重ねが招いた私への結果だったように思えてならなかった。

 

「寝よう」

 

今は早く明日が来てほしい。次の一歩、また次の一歩と、少しずつ紡いでいきたい。気持ちがはやるのも相まって、ベッドに入ってから寝付くまでに、時間を要してしまった。

 

Next55日更新予定

休日に部下の島田と会うことになった真鍋加奈恵。島田は真鍋に胸の内をゆっくりと話し始めた…。