その日の仕事はいつもよりも早く終わった。大名古屋ビルヂングを後に、名古屋駅から大垣行の快速電車に乗る。最寄り駅に着き、少し歩いたところにあるコンビニに立ち寄る。自分の酒と雅の好きな酒を買い、足りなかった調味料もカゴに足し会計を済ませる。気分をある程度切り替えることが出来たことに少し気分を上げながら、いつも通りの帰路をたどる。
繁華街を抜けて人通りの落ち着いた道にでる。日が落ち、一定に色調が慣らされた夜の道は嫌いではなかった。そんな整った街の風景を、私は暫く、避けるようになる。
「島田、さん・・・?」
目の前で、島田と楽しそうに笑う雅を見てからは。
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近頃、ビジネスもプライベートもあまりにうまくいっていないと落ち込む加奈恵。一方、加奈恵の部下・島田は加奈恵に対してある想いを胸に秘めていた。