しばらくして、ようやく鈴木から連絡がきた。話がしたい。メールにはそれと集合場所だけが書いてあった。
◆
集合場所は金華山の麓の公園だった。鯉に餌をやることができるこの場所は、老若男女の憩いの場となっている。その池の前で餌をやるでもなく、池の水面を眺めながら鈴木は立っていた。
「おまたせ」
「いや、さっき来たところだよ」
決まりのセリフを交わしてから、暫くは無言で池の周りを歩いていたように思う。もう少しで二週目に差し掛かるかというとき、ようやく鈴木が口を開いた。
「別れよう」
予測通りの言葉に、予想以上に揺れていた。
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私が女将として切り盛りする料亭に元恋人の鈴木が現れ動揺してしまうも、宴会は滞りなく進む。宴会終了後客間を清掃していると、ある仲居が小さく丁寧に折られている文字の書かれた紙を見つける。