「いいか、これからはまっすぐ家に帰るんだ。僕の許可なしに他の男と気安くどこかに行ったりするんじゃない。分かったね?」
「ひ、密さん……。痛い……」
「返事をして!」
「わ、分かりました」
恐怖に駆られた環が口走るように言うと、今度は密の態度がまた変わり、急ににっこりと笑顔になった。
「分かってくれると思ってたよ。環はいい子だね」
環はその笑顔を見て、夫が怖い、と改めて思った。
そして、本当の恐怖はここからなのだった……。
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居酒屋での一件以来、環に対する夫・密の束縛はより厳しいものとなった。環は徐々に夫の行き過ぎた束縛に憔悴してしまう…。