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いまさら聞けない!「初詣」の参拝マナー

 

年が改まると、全てが新しく感じられるものです。

そんな中、1年の感謝を捧げ、新年の幸せをお祈りする初詣に行かれる方がほとんどではないでしょうか。昔ながらの風習の中でも、特に長く息づいているであろう「初詣」。

今回は、覚えておくべき参拝マナーや縁起物についてご紹介します。

 

前回:いまさら聞けない!知っておきたい「初詣」のこと

 

神社の参拝マナー

①鳥居をくぐる

神社の正面に構えられた鳥居は、聖域と外界を区切る境界線のようなもの。そのため、くぐるときは前で立ち止まり、身なりを整えて一礼する必要があります。

また、参道の中央は神様が通るといわれる道「正中」のため、参拝者は人の流れに沿って左右のどちらかを歩くようにしましょう。

②手水をとる

神社には「手水舎」と呼ばれる手や口を清める場所があります。まずはここで心身を清めましょう。やり方は次の通りです。

  1. 右手でひしゃくを持って左手を清める。
  2. 次にひしゃくを持ち替えて右手を清める。
  3. 再びひしゃくを右手で持ち、左の手のひらで水を受けて、口をすすぐ。この時、直接ひしゃくに口をつけないように注意しましょう。
  4. 最後に左手を再び清める。
  5. ひしゃくを元の場所にふせて置く。

※コロナウイルス感染防止対策により柄杓の撤去や手水舎の使用を控える神社もある様です。各神社の案内に従ってご利用ください。

③神前へ進む

④賽銭箱の前でお辞儀する

賽銭箱の前に立ったら軽くお辞儀して、お賽銭を入れます。お賽銭の金額に決まりはありません。基本的に5円や50円などの穴が開いた硬貨は「運が通る」とされ、縁起が良いと言われます。

また、語呂合わせで縁起を担いだ金額をお賽銭として納めるのもいいでしょう。縁起が良いとされる金額は以下のとおりです。

 

  • 5円「ご縁がありますように」
  • 11円「いいご縁がありますように」
  • 15円「十分なご縁がありますように」
  • 20円「二重に縁がありますように」
  • 25円「二重にご縁がありますように」
  • 41円「始終良い縁がありますように」
  • 45円「始終ご縁がありますように」

 

しかし、下記のように縁起が悪いとされるお賽銭の金額もあるので注意しましょう。

  • 10円「良いご縁が遠のく」(10円を「とおえん(遠縁)」と読むため)
  • 500円「硬貨の中で一番高いため、これ以上の硬貨=効果はない」

⑤二礼二拍手一礼

自分の名前と住所を述べましょう。自分がどこの誰なのかを明らかにすることが重要です。

次に、前年の報告をし、感謝の気持ちを伝えます。それから新年の願い事です。

お寺の参拝マナー

①山門をくぐる

神社の鳥居と同じように、神聖な領域への入口。身なりを整え一礼します。この時、山門の敷居は、足で踏まずまたぐようにしましょう。

また、お寺の参道は、どこを歩いても良いとされているようです。

②手水をとる

神社の場合と同じで、左手、右手、口の順に手や口を清めます。

※コロナウイルス感染防止対策により柄杓の撤去や手水舎の使用を控える寺院もある様です。各寺院の案内に従ってご利用ください。

③常香炉で体を清める

お寺には常香炉(じょうこうろ)と呼ばれる大きな香炉が設置されているところが多くあります。

お線香があれば買い求めて常香炉にあげ、煙を浴び、体を清めます。病気やケガなど、悪い部分に煙をあてると良くなるとか。

④賽銭箱の前でお辞儀する

神社と同様、本堂や本尊の前で一礼し、お賽銭箱にお賽銭を入れます。

⑤合掌

鈴など、鳴らしものがあれば1回打ちます。それから合掌です。ここが神社と大きく異なる点。

神社では2回手をたたきますが、寺院で手を鳴らしているとマナーや作法を知らない人と見られてしまいます。最後に一礼して完了です。

 

縁起物とそこに込められた願い

初詣に行くと、干支の置物やだるまなどが売られているのをよく見かけます。このようなおめでたい飾りの事を「縁起物」と呼び、五穀豊穣や商売繁盛、無病息災などの祈りを込めて自宅に飾ります。

ここでは、縁起物それぞれに込められている意味を見ていきましょう。

【熊手】

もともと熊の手のように広がったくし状の先端で、庭先などの落ち葉をかき集める道具。その様子から「福をかき集める」という意味を持ちます。

また、鷲の爪の形に似ていることから「鷲掴み=福を掴んで離さない」という意味をもちます。

【破魔矢】

その名の通り魔をよけるための矢のこと。「自分の身にふりかかる災い(魔)を破り、幸多き1年になりますように」という意味を持ちます。

また、矢の持つ特性である「射る」という意味から、チャンスを射止めることにもご利益があると言われています。破魔矢の先が鋭く尖っていないのは、人を射るのではなく、邪気を払うためのものだから。

【だるま】

赤いだるまは魔よけの効果を持つと言われ、だるまの中で最も歴史がある色です。「家内安全」「無病息災」「開運吉祥」の意味がこめられています。

他にも、宮城県の「松川だるま」は、豊穣の海を表す青色。山梨県の「甲州だるま」は、カイコの繭にちなんだ白色。この甲州だるまは、高い神棚に飾った時に目が合うように下向きに目が描かれているのが特徴です。

【絵馬】

神様は馬に乗って人間の世界へ降りてくると言われており、奈良時代には「神馬」と呼ばれる馬を奉納したという記録があるとか。しかし、本物の馬を奉納し続けることの難しさから、馬の絵を描いた板を奉納したことが絵馬のはじまりだそう。

今では、馬だけでなく、社寺ゆかりの動物や縁起物が描かれているものもあるようです。そんな絵馬は、何かを祈願する時や願いが叶ったお礼として、神様に報告するときに使用します。

【干支の置物】

1年間家を守ってくれると言われている干支の置物。その年の干支を飾ることで「歳神様」をお迎えするという意味を持ちます。

また、動物によってそれぞれの意味を持つようです。

・子(ねずみ)

ねずみは繁殖する力が高いため、子孫繁栄という意味が込められています。

・牛(うし)

牛は昔、重い荷物を運ぶため生活に欠かせないものでした。そこから、牛の持つ力強さと粘り強さ、誠実という意味が込められています。

・寅(とら)

模様から夜空に輝く星と考えられていた存在で、決断力と才覚という意味が込められています。

・卯(うさぎ)

穏やかな存在であることから家内安全、また飛び跳ねることから飛躍や向上の意味が込められています。

・辰(たつ)

幻の存在とされていた生き物で、権力者の象徴。そこから正義感と信用という意味が込められました。

・巳(へび)

脱皮することから、再生の意味が込められています。

・午(うま)

牛と同じく、人間の生活に欠かせない動物でした。そのため、健康や豊作の意味が込められています。

・未(ひつじ)

群れで行動することから、家族安泰の意味が込められています。

・申(さる)

山神の遣いともいわれるほど器用なことから、臨機応変という意味が込められています。また、厄が去るという言い伝えも。

・酉(とり)

派手な見た目で人々を「取り込む」に繋がり、商売繁盛の意味が込められています

・戌(いぬ)

主人に忠実な動物ということから、忠義、安心安全の意味が込められています。

・亥(いのしし)

イノシシの肉が古くから病に効くと重宝されていたため、無病息災の意味が込められています。

最後に「御守り」ですが厄除けや招福のための縁起物です。神様が逃げてしまわないよう、御守りの中身は決して開けないようにしましょう。

 

◆◆

 

いかがでしたでしょうか。

知っているようで知らなかったこともあったかと思います。マナーを頭の片隅に入れておくだけで、安心して参拝することができるのではないでしょうか。

さて、2023年は卯年。皆様の家内安全、飛躍と向上を願っています。

 

 

前回:いまさら聞けない!知っておきたい「初詣」のこと