一生に一度は訪れたいと言われるフランス、パリ。
18世紀、農民達の不満が爆発し「フランス革命」が起こります。ルイ16世はなんとか不満を鎮めようと様々な緩和政策を採ることもむなしく、専制政治の象徴でもあったパリのバスティーユ牢獄を民衆が襲撃。それにより絶対王政が崩壊し、ナポレオンの帝政から共和制に変わっていきました。このフランス革命が起こった日、1789年7月14日が、現在「パリ祭」が行われる日、フランスの建国記念日なのです。
日本の有名フレンチレストランが、多くの方にフランス文化に触れほしいという想いから、独自にパリ祭を開催するなど、注目度の高いイベントです。本場ではどのようなイベントが開催されるのでしょうか。
今回はイベントの内容と、その楽しみ方も併せてご紹介します。
前回:光の都パリで行われる華やかな祭典「パリ祭」とは? ~歴史編~
01/愛国心を表す
フランス人にとっての大切な祝日である7月14日、ナショナルデー。日本ではパリ祭と呼び、お祭りとして知られています。フランスの方にとっては建国記念日で「キャトルズ・ジュイエ」と呼ばれています。
シャンゼリゼ大通りでは毎年、盛大なイベントが開催され、花火の打ち上げやダンスパーティがフランス各地で行われます。このビッグイベントにはフランス共和国大統領も臨席するそうです。陸、海、空軍や警察によるパレード、騎兵隊の行進、空軍による発煙筒を搭載した航空機による飛行ショーなどは、見る人の心を掴みます。その後始まるエッフェル塔を中心とした花火のショーを見るために公園へ移動し、場所取りを行うそう。
近年ではプロジェクションマッピングや音楽も使われ、賑やかかつ華やかにパリの夜を彩ります。その光景はまさに、光の都。フランス革命記念日は、愛国心を表す日であるとともにお祭りを楽しむ日、なのです。
02/パリ祭の楽しみ方
フランス空軍のアクロバット飛行と共に幕をあけるパリ祭。パレードは凱旋門からコンコルド広場へ、約2時間かけて世界的にも有名な大通りを進行します。着飾った兵士や馬、戦車、バイク、車、飛行機に乗ってパレードする姿は圧巻の一言に尽きるとか。
この日は安全を確保するため、ほとんどの地下鉄の駅が閉鎖されるそう。もし、パレードを見るために地下鉄を使う予定がある場合は、早めに駅に到着すると良いようです。
驚くことに、パリ中の消防署はエンターテイメントの一大スポットに様変わり。入場料を支払い消防署に入ると、料理や飲み物、ラッフル(くじ)のチケットなどが購入できるパーティー会場が広がります。
日中は様々な年代の人々が集うパーティー会場ですが、日が落ちはじめ、子供たちが帰路についたあとは、DJやダンスが楽しめるナイトクラブさながらの雰囲気に。この消防署パーティーは深夜過ぎまで続きます。一部の消防署では、前日の13日から開催しているようです。当日まで待ちきれない、という方はぜひ足を運んでみてくださいね。
この日は、国民の祝日ではありますが、オルセー美術館やオランジェリー美術館など、パリの主要文化施設は通常通り開館します。ルーブル美術館やアンヴァリッドやパンテオンといったパリのその他の美術館も、パリ革命記念日は入場無料で楽しめるそうです。
他にも、通常通り営業しているのは観光名所だけではありません。角形のヴァンドーム広場にあるラグジュアリーな宝石店、人気デパート店のギャラリーラファイエット、ボーグルネルショッピングセンターなど、多くの店が営業します。パリ革命記念日セールを行う店も多いようなので、ショッピングもパリ祭の楽しみ方のひとつと言われています。
パリ革命記念日との繋がりを持つパリの一部の観光名所では、フランス革命を後世に伝える活動を行っています。この機会にガイド付きツアーに参加して、パリ革命記念日の重要かつ悲惨な歴史について学んでみるのもいいかもしれません。ルイ16世やマリーアントワネットが処刑されたコンコルド広場などを見学します。やはり見逃せないのは、バスティーユ牢獄の跡地であるバスティーユ広場。約2時間のツアー時間ですが、とても濃い時間を過ごすことができるそうです。
記念日の最後を飾るのは、夜空を美しく彩る約35分間のエッフェル塔の花火。エッフェル塔が見える場所にいれば、どこからでも楽しむことができます。しかし、多くの人々は、エッフェル塔の下に広がるシャンドマルス公園から眺めるようです。
公園では花火が打ち上げられる2時間ほど前から、クラシック音楽コンサートなどが行われます。多くの人々が花火のために、昼間から場所を取りつつピクニックを楽しんでいるので、公園から花火を見る場合は早めに到着することがポイント。また、15時以降は公園内での飲酒は禁止されています。トイレ数の不足や一部地下鉄の駅閉鎖のため、しっかりと計画を立てることが重要のようです。公園の向かい、セーヌ川の対岸にあるトロカデロ広場は、わずかに人出も少なく、エッフェル塔を背景に花火を満喫することができるスポットになっているようです。
また、パリの夜をロマンティックにゆったりと過ごすなら、セーヌ川ディナークルーズがおすすめ。フランス伝統の多彩な料理を楽しみながら過ごす時間は、貴重かつ幸せ。花火打ち上げ中の船の位置などはエッフェル塔に接近する船もあれば、エッフェル塔の全景を見渡せる少し離れた場所に移動する船もあり、思い思いに花火を楽しめるそうです。
◆◆一生に一度は経験してほしい本場パリ祭
いかがでしたでしょうか。
フランスでは数あるイベントの中でも特別重要な日と言われる7月14日。
国を挙げて盛大にお祝いするこの日は、日本人には珍しいことばかりなので、ぜひ身をもって体験したいところですね。
この時期のパリはとても暑いので、水分と日よけは必ず準備することも大切だとか。もしも、本場で楽しむことができるなら荷物はなるべく少なくし、盗難に気をつけ、余分な現金は持ち歩かないようにすることも忘れずに。
Je vous souhaite une excellente journée!素晴らしい1日をお過ごしください!
前回:光の都パリで行われる華やかな祭典「パリ祭」とは? ~歴史編~
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