今のままでも十分に美しいはずなのに、私たちは元の体型や肌の張りを取り戻したいと思うのはなぜ?
10代よりプロとして美と向きあった元モデルが語る本当の美しさとは?
前回:元モデルが語る、健康と美容の両方を叶えるありのまま美しさとは Vol.1
今のあなたが、あなたの功績。
妊娠線が残ってしまった、シミやしわが増えた、健康だけど、肥満気味。それってそんなに悪い事でしょうか?
「ありのままの姿が美しい」という考え方があれば、今のままでもあなたは十分に美しいはずです。それなのになぜ、私たちはそれを元の体型や肌の張りを取り戻したい、もっと綺麗にしたいと思うのでしょうか。
その答えは「自信」です。
「妊娠線がなかったら水着を着られるのになぁ」、「痩せたらこのジーンズを履こう」といったタラレバの経験はあなたにもあるかもしれません。しかし、実際に水着を着たり、痩せてジーンズを履けるようになる日はいつになるでしょうか。恐らくすぐに実現できる人は多くないでしょう。ですが、実際にそんなことを気にせずプールに入っていたり、体型に合ったジーンズをお洒落に着こなして楽しんでいる人を見たら、あなたはどう思いますか。きっと素直に羨ましいと思うはずです。
後者のように、素直に「今の自分」を受け止めれば、すぐに気持ちを切り替える事が出来ます。しかし、それが出来ないがゆえに、自信を持ちたくて美容に走っている人があまりに多いと、私は感じています。
なぜ、自信を持つために美容に走るのか。それは外見を変える方が手っ取り早いからです。他人の目から見ても分る変化は褒めてもらいやすく、自信に繋がりやすいことも確かです。しかし、この変化が健康的かと言われると必ずしもイコールではありません。昔のように若々しい見た目が欲しいからといって、今のあなた自身を変えずに、外見だけを整えるというのは、簡単なようで実はものすごく大変で遠回りをしています。
一概には言えませんが、「簡単に手に入る」と謳っている広告の多くは、実際に効果的かどうかかなり怪しいことを、あなたも心のどこかで気づいているはずです。商品を売るために広告があることを、モデルの経験からも私はよく理解しています。商品広告にモデルを使用する理由は、それを使うことによってあなたもこんな風になれると、意識させるためにあります。
食べる前に飲んだらカロリーをカットしてくれるとか、履くだけで痩せるとか、マシンを付けているだけで脂肪燃焼・筋力トレーニングになるとか…。それらだけに頼ることは間違いなく健康を害します。しかも残念ながらそういった広告に使用されたモデルたちは、実際その商品を使っていません。使ったと言っても、一度や二度、感想を言うために使用した程度であることがほとんどです。
美しくなると思っていた行為が真逆に走っていることほど悲しいことはありません。本当にあなたらしく、素直にありのままで居たいと思うのなら、まずは生活のストレスを一つ取り除いてみましょう。精神的にも楽になると、見た目には大きな変化となって現れるはずです。
あなたは既に美しさを持っている
とはいえ「どうやって自分の魅力を見つけたらいいのか分からない」ということもあると思います。悲しいことに私たちは社会の「当たり前」に流されて、本当にやりたかったことや、好きだったこと、夢など簡単に忘れてしまって、思い出せなくなっています。
でも、環境の変化で新しく好きなことが見つかったり、目標ができたりすることもあるでしょう。だからこそ、まずは理想よりも「今の自分を受け入れる」ことが大切です。妊娠線が見えても、あなたが着たいなら好きな水着を着ればいいし、ジーンズが好きなら、今の体型でもオシャレに履けるものを探し出せばいいのです。
それを「妊娠線があってもこの水着は目立たないから着られた」「このジーンズは履きやすくてお尻のたるみをカバーしてくれる」などと、人に紹介できるようになると「この人は自分に合った洋服選びが上手なお洒落な人だな」と認知されるようになり、あなたのように洋服を選びたいとアドバイスを求めてくるようになるかもしれません。それはきっと、あなたにとっても嬉しい事だと思います。
そういった小さな積み重ねが自信へと繋がり、自然とあなた自身の持つ魅力となり、美しくなっていくのです。
健康美の継続
周りと比較することを止め、自分と向き合う。
理想の体型や見た目を追いかけた結果の姿があなたの魅力ではありません。あなた自身がやりたいことをやり、過度なストレスを抱えずに毎日を一生懸命過ごすことが、魅力となっていきます。それと同時にこれが心の健康を保つ秘訣でもあります。
モデルの仕事を通して感じたことは、モデルは商品を引き立たせる脇役でしかないこと。商品に消費者の眼をスムーズに向けるために美しくいる必要があるということです。しかし、あなたの健康や美しさはあなたの物です。誰かのために、何かのために美しくある必要はなく、あなたの魅力を最大限に引き出すためにあります。
それを踏まえたうえで、長くいい状態を保つために道具と同じように、メンテナンスをしてあげる、体や心を労わることは、とてもモチベーションが上がって心身共に健康にも良くなります。
このバランスにたどり着くには時間がかかるかもしれませんが、ずっと外見の美しさを追い求めるよりも、既に持っているあなたの中の魅力を見つけ出せればきっとあっという間です。
30歳を目前にしてこのことに気づいた私は、あなたと同じように自分の魅力を探している最中の一人です。20代の頃のように直ぐにやりたいことのために動けるわけではありませんが、「継続は力なり」という言葉があるように、少しずつやりたいことにチャレンジし、自信をつけていくことが心身のバランスが取れた健康美へと繋がると思います。
「今の自分自身を受け入れ、そんな自分に自信を持つこと」これが私の考える健康美であり、年齢を重ねても軸のぶれない「ありのままの姿の美しさ」へと繋がっていくのです。
前回:元モデルが語る、健康と美容の両方を叶えるありのまま美しさとは Vol.1