LIFE STYLE

10年婚活 Vol.6~スピード婚約~

彼女が私を気に入ってくれたのは私のストレートな話し方らしい。

相談所のアドバイスで、できるだけ気を遣いながら話そうとしていたのだが、やはりまだ口調が強いのかなと思った。

とはいえ、好意を持ってくれたことには違いないので毎週のようにデートをした。市内の美術館巡りやミッドランドスクエアなど彼女と過ごす時間は楽しかった。

 


前回▶10年婚活 Vol.5~結婚相談所で結婚できるのは5%以下~

はじめから読む▶10年婚活 Vol.1~婚活の始まり。私のステータスなら楽に結婚できると思っていた~

 

順調な様子を相談所に話すと婚約を勧めてきた。

この相談所は婚約、結婚を半ば強引に勧める相談所で、初めの出会いから結婚を意識して話すこと、デートもただ会うだけではなく、一回一回結婚に近づくように話をすることをアドバイスされる。「平成の世話焼き仲介人」を自称するような相談所だ。

 

プロポーズしよう。

 

ダイヤの指輪、ミッドランドスクエアの天空のレストランを予約し、準備を進めた。

「結婚してください」

 

膝をついてプロポーズした。アメリカ人の友人もみんなそうやってプロポーズしてきたのを見て、自分も絶対にと思っていたが、いざやってみると結構恥ずかしかった。

 

「はい、こちらこそよろしくお願いいたします」

 

相手から返事をもらうと夜景のきれいなレストランがひときわ輝いていた。

やっと結婚できる。出会って4か月で婚約。

 

次の日両親に電話し、両家の顔合わせの日程などを話し合った。相談所にも連絡し成婚退会へ話をすすめていたのだが、

 

「泣かないで!」

 

彼女が電話で号泣したのは両家の顔合わせが終了した数日後。いつものように寝る前に電話をした時のことで、とても怒っていた。

思い返せば彼女のご両親に会う時から何か冷たくなったような気がしていたし、交際を始めてから今まで、彼女の話し方はずっと「です」「ます」調だ。何を話しても「そうです」「~なんです」など、どうも打ち解けない話し方で私は丁寧に話しているのかなと思っていたのだが、何か我慢していたことがあったのかもしれない。

 

彼女の言い分は、私が婚約してから激変したらしい。全く意識していなかったので本当に驚いた。

私は婚約後から、服装も乱れ、彼女の扱いが雑になったらしい。食事もマナーが悪く、見ていて気持ち悪いとまで言われた。私はまったくその気がなかったのだが…。今までの人生でそこまで女性に非難されたことはない。