食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋など、気候がよく比較的雨が少ないと言われる秋は旅行の計画も立てやすい季節。
暑い夏が終わった後の安堵感とわずかな寂しさ、これからくる寒くて長い冬への憂い感を紅葉狩りで癒してみてはいかがでしょうか。日本の紅葉は世界で一番美しいといわれるほどの魅力を持っています。
今回は、北海道、東北地方の紅葉の見どころや色づき始め、見頃の時期などをご紹介します。
目次
【北海道】
日本一早く紅葉を見ることができる北海道。そんな北海道の魅力といえば、スケールの大きな自然が織りなす絶景ではないでしょうか。
ここでは、国立公園に指定され、全国でも有数の紅葉の名所である「定山渓温泉」をご紹介します。
札幌中心部から1時間足らずで気軽に行くことができる場所で、一足早い秋を堪能してみてはいかがでしょうか。
定山渓温泉
北海道有数の温泉街で、古くから「札幌の奥座敷」と呼ばれ、アクセスの良さから気軽に訪れることができる「札幌の湯の杜」として人気を集めています。
寒暖の差が大きい渓谷の岩肌と豊かに流れる川のおかげで定山渓の木々は色鮮やかに染まります。中でも、二見吊橋から見る渓谷の景色は必見です。また、近くには定山渓ダム、豊平峡ダムがあり、そちらも紅葉の絶景を見ることができるスポットとして有名です。
木々は9月下旬から色づきはじめ、10月には見頃を迎えます。その時期になると「紅葉かっぱバス」という、定山渓の絶景ポイントを地元ボランティアガイドが案内するバスが運行します。バスコースは、定山渓観光案内所を出発して、月見橋、時雨橋、紅葉橋、八剣山、錦橋を巡ります。料金は驚くことにワンコイン。
また、八剣山では農家直売の新鮮な農産物を購入することもできるようです。
▼定山渓観光協会公式サイト
https://jozankei.jp/
【東北】
東北の紅葉といえば大迫力の景観が魅力。昼と夜の寒暖差によって葉が綺麗に色づき、辺り一面を染め上げる美しさは見逃せません。
また、歴史ある建造物や名所と紅葉のコラボレーションを見ることができるのも東北ならでは。北海道に続き南下してくる紅葉前線の先駆けとなる紅葉スポットで、秋を満喫してみましょう。
弘前公園(青森県)
弘前市の中心部に位置する、総面積約14万9000坪にも及ぶ弘前公園。木々は10月上旬から色づきはじめ、10月中旬から11月上旬には見頃を迎えます。弘前城をバックに1100本のカエデの木と、2600本の桜を眺めることができる風情ある景観は、弘前がこれまで歩んできた歴史を垣間見ることができるでしょう。
弘前城菊と紅葉まつりは紅葉を楽しみながら互いに育てた菊を持ち寄り品評会をおこなっていた観楓会が発展し、「菊ともみじまつり」の名称で始まったそうです。現在では、弘前城植物園を主な会場とし、フラワーアートの展示や市民による市民菊花展など香り高い菊花が見事に咲き競い、古城の秋を演出しています。
期間中は特別ライトアップが実施されるようです。日中とは違った公園の表情も楽しむことができる弘前公園で、深まる秋を感じてみてはいかがでしょうか。
▼弘前公園
https://www.hirosakipark.jp/
小安峡(秋田県)
皆瀬川の急流が長い年月をかけて両岸を深く浸食してできたV字谷の小安峡。60m程階段を降りていくと遊歩道が続いています。
轟音とともに白い湯けむりを上げる小安峡一の名所「大噴湯」では、大地の息吹を体全体で感じることができます。世界でも珍しい地形だといわれ、蒸気や熱水がたまっている地熱貯留層の亀裂が露出しているのだとか。河原湯橋の上からも蒸気の噴出を眺めることができるので、赤や黄に染まる美しい紅葉とのコントラストを、様々な角度から楽しむことをおすすめします。
木々は10月上旬から色づき始め、10月中旬から11月上旬に見頃を迎えます。
自然のエネルギーがいただけるパワースポットでもある小安峡で、目も心も潤してみてはいかがでしょうか。
▼湯沢市観光物産協会
http://akitayuzawa.jp/
猊鼻渓(岩手県)
昔は秘境とよばれ、知る人はほとんどいなかった日本百景のひとつ猊鼻渓。大正14年に国の史蹟名勝天然記念物、名勝指定岩手県内第1号に指定されました。自然が織りなす美しい観光名所として、現在では多くの人が訪れています。
紅葉は10月下旬からが見頃。
周辺にはレストハウスやホテルなどもあり、渓谷を流れる川では舟下りを楽しむことができるとか。
穏やかな川の流れに揺られながら、船頭が唄う「げいび追分」を聞き、全方向から紅葉の絶景を堪能することをおすすめします。
水面に揺れる紅葉と共に、響き渡る歌声に癒されてみてはいかがでしょうか。
▼猊鼻渓観光センター
http://www.geibikei.co.jp/
最上峡(山形県)
独特な文化や食、自然が豊かで「山の向こうのもうひとつの日本」とも称されほどに美しい山形県。多くの川が流れていることでも有名ですが、中でも一番大きい川である最上川は、100万年も前から流れていたと言われています。
そんな母なる川、最上川流域の中でも随一の景観を展開する「最上峡」は人気の紅葉スポットです。雄大な山々が色鮮やかな秋色に染まる姿を川沿いから愛でるドライブや、川岸まで山が迫る最上川舟下りがおすすめです。
また、日本の滝100選にも数えられる名瀑「白糸の滝」も必見。見頃は10月下旬。美しく染め上げられたもうひとつの日本を堪能してみてはいかがでしょうか。
▼最上峡芭蕉ライン観光
https://www.blf.co.jp/inquiries
鳴子峡(宮城県)
約2.6キロメートル続く深さ100メートルの峡谷が広がる鳴子峡は、国内屈指の美しさを誇ると言われています。
奇岩と松などの常緑樹が点在する中に、ブナやカエデが赤や黄色に染まる紅葉美はまさに絶景。見頃は10月中旬から11月上旬。おすすめは「鳴子峡レストハウス」の敷地内にある展望台からの眺めです。
また、大深沢遊歩道では紅葉を見ながらハイキングを楽しむことができます。期間中はJR鳴子温泉駅から中山平温泉駅間で「紅葉号バス」といわれる路線バスが運行するとか。パンフレットの表紙を飾ることも多い絵画のような美しさをご覧になってみてはいかがでしょうか。
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室
▼鳴子温泉郷観光協会
http://www.naruko.gr.jp/
長床の大イチョウ(福島県)
源頼義の勧請とされる古社「新宮熊野神社」にある樹齢800年の御神木。
源頼義が戦勝祈願のために会津若松市に勧請しました。その後、頼義の子である義家が現在の地に熊野新宮社を造営しますが、16世紀半ばに戦乱により一度全壊してしまいます。
それから時がたち慶長19年、旧材を用いてひとまわり小さい拝殿を建てたものが現在、国の指定重要文化財になっている「長床」というわけです。
そんな長床が秋の時期になると黄金のじゅうたんとともに美しい景観となります。
見頃は11月中旬から11月下旬。
夜のライトアップで煌くイチョウの絨毯からエネルギーをいただいてみてはいかがでしょうか。
▼喜多方観光物産協会
http://www.kitakata-kanko.jp/category/detail.php?id=60
◆◆秋だけの特別な景色に癒されて
赤や黄、オレンジなどに染まる紅葉の見ごろは、わずか1カ月弱。今回は、一足先に訪れる北海道、東北の紅葉スポットを紹介しました。
秋晴れの空に映える美しい絶景を求めて、お出かけしてみてはいかがでしょうか。
※お出かけの際は、色づき状況や紅葉イベント開催情報など事前にお問い合わせ先にご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大予防対策について・その他の最新情報などは公式サイト等でご確認ください。
次回は、紅葉スポット関東編。都会で触れる秋の訪れを感じてみてはいかがでしょか?お楽しみに。