日々の疲れが抜けず、へとへとになる毎日。
仕事の疲れもあるだろうし、年齢のせいもあるだろう。
最近は婚活を始めたため、さらに体にも心にも負担が出ているのかもしれない。
はじめから読む▶選ばれない女 vol.1~婚活パーティー~
だから、中高の同級生で友達でもある加菜から〝久しぶりに会わない?″と連絡がきたときは素直にうれしかった。
久々に気の置けない友達と思い切り話をしたかった。
加菜は3年前、32歳のときに結婚した。
相手は大手企業の営業課長。
結婚式で一度会ったきりで愛沙の好みではなかったが、くりくりした目に明るい人柄の、人好きする男性だった。
子どもはまだおらず時間の融通がきくため、加菜とはたまに連絡をとっては会っている。
〝会おう!わたしも話したい^^″
お店と時間を確認し、じゃあまた、とその日はやり取りを終えた。
加菜から送られてきた店名は、愛沙もよく行く店のものだった。
約束の時間の10分前に名古屋駅で、加菜を待つ。
すると、すぐに愛沙を呼ぶ声がした。
「おお、愛沙~、ひさしぶり~!」
手を軽く振って現れたのは、加菜だった。
薄手の黒ニットにきれいめAラインのベージュのスカートが秋らしい。
「久しぶり。元気にしてた?」
挨拶もそこそこに、名古屋駅にあるビルの最上階に向かう。
今日は比較的空いているのだろうか、お客さんがまばらだった。
「旦那さんは元気?」
席についてワインを頼み、開口一番に聞く。
「うん。毎日元気よ。でも最近ちょっと太り気味なの。ジムに通うように勧めてるんだけどね」
彼運動嫌いだから、と困ったように笑う。