と考えていると、入口の自動ドアが開く音がし、同時に人の気配がした。
まず目に飛び込んできたのは、長身。自動ドアに届きそうなほど高かった。
続いて、顔。ある程度整えられしっかりとした眉毛は、大きな目とともに印象深い。
飾り気のない、素朴な整った顔の青年だった。
くせのない黒髪は無造作で、頭のてっぺんにはぴょんと寝癖がついている。
―Cだ。
幸枝は免許証で見た写真を思い出し、確信した。
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最初から長く続く関係ではないとわかっていたはず。深入りはしてはいけない。なのに幸枝はCのことが気になってしまう・・・?