NOVEL

家にも外にも居場所がない vol.6 ~笑顔の下に潜んだ本性~

 

オブラートに包んで書いてはいますが、もっと酷い仕打ちもありました。これではいったいなんのためにお付き合いしているのかわかりません。

私は琢磨さんにとってなんなのでしょう? 恋人でしょうか? 名家の娘でしょうか? それとも家政婦? 最近はまったく私に優しくしてくれません。

まるで自分を飾る腕時計のように、ブランドがあって、ただ役割をこなすためだけに傍へ置かれているような気がします。

 

思い返してみれば、初めてのお見合いの時の会話も、自分のことを話していたというよりただの自慢だったのかもしれません。もしかしたら琢磨さんは自己顕示欲が強く、自分を誇張するために名家の私と近づいたのではないのでしょうか?

 

最近は私からデートや買い物に誘っても一切相手にされません。仕事が忙しい、予定があるといわれまったく出かけていません。

 

いったい男女の関係とはなんなのでしょうか?

自分の立場がわからないまま、彼との生活がずるずると続いていきました。

 

 

Next218日更新予定

 交際相手の琢磨は傲慢で自分勝手な振る舞いが増え、清美を家政婦のように扱う。恋愛とは程遠い関係の中で清美はいったいどう行動するのか?