NOVEL

マザーズカースト vol.4~虚飾にみちた関係~

-華やかなパーティー-

 

恵美梨さんもなんとか間に合い、準備でバタバタしたもののパーティーは無事にスタートした。

主役の由紀さんご家族をクラッカーで迎えると、由紀さんはお腹を撫でながら

「皆さん今日はありがとう!」

と幸せに溢れた表情で喜んでいた。

 

美味しいお料理とお酒、ドリンクが並び、とても和やかな雰囲気で会は進んだ。

そしてパーティーの終盤に差し掛かると

「それでは皆さんでプレゼントをお渡ししましょう!」

という千奈美さんの声がけでプレゼントとオムツケーキ、そしてお花が運ばれてきた。

 

 

プレゼントは由紀さんのお気に入りブランドのベビー服、オムツケーキは華やかに彩られた大きく写真映えするものだった。

お花もとても綺麗でボリュームがあり、由紀さんも

「皆さん本当にありがとう!」

と言って喜んでくれている様子だった。

「せっかくだから皆さんで記念写真を撮りましょう!」

皆がホワイトで統一されたドレスコードで色鮮やかな装飾やプレゼント、お花に囲まれた写真はとても華やかで皆が笑顔で映る素敵な写真に仕上がっていた。

 

パーティーが終わると今度はママ達だけで2次会として、いつものレストランで飲み直すことになった。

由紀さんはプレゼントなど家に置きに一度帰り、幹事の恵美梨さんと数人は片付けを済ませた後に合流となった。

 

私は先に千奈美さんや他のママ達とお店に向かった。

しかし着席した途端に周りのママ達は、主役の由紀さんや幹事の恵美梨さんがいないのをいいことに今日のパーティーの批評を始めたのだ。

「今日のオードブルはあのレストランで一番安いものだったわ〜」

「飾り付けの色味も大学生のパーティーじゃあるまいし〜」

いつもはとても良い人達に感じられていたのにこんな事を言うなんて・・・。

私は驚きとショックで黙ってしまった。

 

すると話題はやはりお花の一件で盛り上がってしまった。

「この前みんなで選んだアーティストさんのが届くと思ってたのに」

「プロの由紀さんにその辺の花屋のお花を渡すなんてありえない」

「みんなから渡すお花があれじゃ、私たちのセンスまで疑われるわ」

常に会話の中心にいる千奈美さんも自分が選んでいたお花でサプライズを期待していたため、今回の一件には少し機嫌が悪い様子だった。

「業者の手違いがあって届かなかったんですよ。なので朝から恵美梨さん、お花屋さんまで走って買いに行ってました。花束のボリュームはあったし、由紀さんも喜ばれている様子でしたけどね」

とフォローをしてみるもののママ友達の機嫌は戻りそうになかった。

 

そこへ後から合流の由紀さんと恵美梨さん達が「お待たせしました〜」と店へ入ってきた。

するとさっきまでの空気が嘘のように消え、

「さぁ今度はママ達水入らず、楽しく飲み直しましょう!」

と楽しげな雰囲気で2次会がスタートした。

 

私はどうやらこのマンションのママ友グループの本当の顔を覗いてしまったようだ。

 

 

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