『天城さん、もしご興味があればなんですが、こういうコミュニティがあるんです。天城さんの手助けになるかもしれませんから、ちょっと参加してみませんか?』
***
――そうして、日曜に裕司が向かったのは、『配偶者間のハラスメントやバイオレンスの加害者』当人同士が話すことで、回復を試みるための座談会……というものだった。
(……まさか。俺は違う)
裕司は最初、そう思って取り合うことはなかったのだが、参加してほしいと言われたので来てやった、という感じである。
(俺には関係ない)
それに、日曜は折角の休みなのだから、家でゆっくりするなり外で遊ぶなりしたいのが本音であった。そうでなくても平日はずっと仕事をしているのだし……。
溜め息を吐いてビルの中に向かう。気が重かった。さっさと終わらせて早く帰ろう。
そう思っていた裕司が少しずつだが変わっていくことになるのは、裕司自身意外なことだった……。
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座談会に参加することになった父・裕司であったが、これがきっかけで裕司にとって初めての経験をすることに!?無事、妻と息子と和解することが出来るのであろうか・・・。