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成功者流睡眠の法則!②睡眠の質を左右するのは夜よりむしろ昼間!「寝てない時間」の過ごし方

寝ることによって生活の質を良くしたい場合、誰しも考えるのは「寝ている時間の過ごし方にポイントがあるんだろうな」ということ。

もちろん、睡眠に関連する様々な条件……温度や寝具など……も重要ですが、睡眠の質を大きく左右するポイントはむしろ「寝ていない時間」にあるということ、意識していますか?

 

前回▶成功者流睡眠の法則!①6~7時間はウソ?ベストな睡眠時間を知る方法とおすすめの寝室づくり

 

今回は、寝ていない時間、つまり起きている間をどのように過ごすことが良質な睡眠にとって理想的なのか?ということに焦点を当て、ポイントをお話していきます。

 

 

朝食は既にその日の睡眠に影響している

意外かもしれませんが、その日の夜にとる睡眠へ影響を与える第1の要因は、その日の朝一番にとる朝食です。

寝る前のことは気にしていたけれど、まさか朝食のことまでは……!

と驚く方の多いポイントですね。

では、睡眠のはるか前のイベントである朝食が、なぜ1日の締め括りとなる睡眠に影響しているのでしょうか?

 

1つには「朝食を摂ることによって、目が覚める」という人体の特性のためであると言えます。

朝起きた時に、自分がボーっとしている……と感じる人は多いことでしょう。

この時、状況から「朝が来た」と認識してはいるものの、実際には、脳がまだ半分寝ています。面白いことに、脳の認知は気持ちや体の認知と少しズレていることがあるのです。

 

この脳が半分寝ている、ボーっとした状態は、「噛むこと(食べること、咀嚼)」によって1520分をかけて解消していくことがわかっています。

 

 

心理学的に見ると、咀嚼をするという動きはストレスの解消につながります。

ちょっとイライラした時にガムを噛んで落ち着いたり、ストレスを感じた時に食べてストレスを解消したり、といった行動は理に適っている部分もあるわけです。

 

なぜ咀嚼するとストレス解消になるのかと言うと、リズミカルに咀嚼をすることによって、セロトニンというホルモンが分泌されるから……という理屈が隠されています。

 

セロトニンは別名を幸せホルモンといって、ストレスの解消に役立つのですが、もう1つの顔は目覚めのホルモン。

朝はセロトニンの分泌に伴って、眠りを導くホルモンであるメラトニンが減少しますが、セロトニンは夕刻以降、メラトニンの原料にもなる物質です。

 

つまり朝、セロトニンをしっかり作ることに成功できなければ、夕刻にメラトニンの原料が足りなくなって睡眠の質が下がる、というサイクルができあがってくるわけなのですね。

 

睡眠のための理想的な朝食内容は?

夜に快適な睡眠を「作る」ためには、朝食の内容にも少しだけ、気を遣うと良いと言われています。

一般的に朝食というと、どのようなものが思い浮かぶでしょうか?

 

卵に、野菜に、魚かソーセージやハム、ごはんかパン……。

眠りのための良い朝食も、特別なものを食べる必要はなく、実はこんな「一般的」と言われるような朝食が適しています。

 

 

注意すべき点があるとすると、洋食の朝食を好む方。

朝食に食べたものの成分はさきほどのセロトニンの原料でもあり、さらに1416時間を経て、夕刻に眠りを誘うメラトニンへと変化すると考えられています。

メラトニンを作るために注目すべき物質は2つで、1つはトリプトファン。もう1つはビタミンB6。ビタミンB6は魚や鶏肉に多く含まれていますが、スタンダードな洋食の朝食メニューにはこれらの食材がなかなか使われません。

 

朝食を洋食にするのであれば、鶏ハムを添える、ツナ缶を食べるなどビタミンB6を含んだ食品を摂る工夫をするのがおすすめです。

 

トリプトファンは白米の他、大豆製品、乳製品、バナナなどにも含まれていますので、納豆や豆乳、ヨーグルトといった形で食べる機会は多そうですね。

もちろん、シリアルなどバランス良く栄養素が含まれたタイプの食べ物を朝食に選ぶのも賢い方法です。

 

結局「昼間の疲れ方が足りないから夜に眠れない」は誤り?

近年ではデスクワークが増えています。そ

れだけでなく、休日の過ごし方も世間の事情から、思うように外に出られず「おうち○○」をして過ごす機会が増えたのではないでしょうか?

 

このような状況下、どうしても言われやすいのが「運動不足でからだが疲れていないから、夜に眠れない」というようなことです。

 

これは合っているような間違っているような微妙なところなのですが、

「激しい運動や肉体労働をせず、疲れなくなったために、眠りが浅くなった」

というのは、理解の仕方としては少しズレているのかもしれません。

肉体を動かすことによって、先述のセロトニンの分泌が助けられることが研究でわかっています。

肉体を動かす機会が減るとセロトニンを分泌する機会が減りますので、結果的に夕刻になってメラトニンの原材料が不足し、思ったような眠りが得られない……という結果につながっていくことが考えられるでしょう。

 

セロトニンはストレスを解消し、ポジティブ思考を作るホルモンでもありますので、心理学的にも非常に重要なポジションを占めていると言える物質です。

ストレスが溜まるとよく眠れなくなるというのは、セロトニンが不足した結果、メラトニンも不足するという悪循環からきている可能性が高いでしょう。

 

従ってよく眠れない時や、昼間気分が落ち込みがちな時は、セロトニンの分泌を増やす工夫をしてみるといいですね。

 

ぐっすり眠るためには、からだを疲れさせることが大事! と考えてしまいがちですが、軽い運動だけでもセロトニンは分泌を始めます。

とりわけ「リズム運動によってセロトニンが分泌される」ということがわかっており、例えば音楽に乗って軽くダンスをしたり、一定のリズムで足を動かすウォーキングをしたり等、さほど負荷の強くない運動を20分ほど行うだけでも、効果はあると考えられますよ!

 

 

セロトニンは夜になって、メラトニンに変化する物質ですので、これらの軽い運動は昼間のうちにやっておくのが、より効果的です。

 

寝る直前に夕食を食べると眠れなくなる

お腹がいっぱいのほうが眠れる!という方がいます。ところが結論から言うと、これは思い込みです。

 

昔から「腹の皮がつっぱると目の皮がたるむ」という言葉があり、学校でお弁当を食べた後に、午後の授業が眠くて仕方ない……ということは、誰しも経験がありますよね。

だからこの言葉を信じ切り、夕飯の後も「お腹がいっぱいになったら眠くなるだろう」と考えてしまうわけですが、残念ながら夜の眠りは、お昼寝とは少し事情が違うようです。

 

そもそも食べたら眠くなる原因の1つに、消化のために内臓に血液が集まってくることが挙げられます。

こうなると脳に巡る血液や酸素が少なくなるため眠気を感じる反面、からだの深部体温は上がってしまう。

ところが、眠りの質は深部体温が下がることによって担保されるため、食べてすぐに眠る行為は眠りの質を悪くしてしまうということになります。

 

消化をしながら質よく眠るということは難しいので、夕食は就寝の3時間ほど前に済ませておくのが理想的。

この時間を念頭に置きつつ、昼食の時間を調整し、おやつを食べ過ぎないようにすることも、よく眠る秘訣の1つです。

 

◆◆昼間の過ごし方をコントロールして良い眠りを!

夜に良い形で眠るためには、昼間の過ごし方が大きな鍵となります。

眠りの質が良くなることは、昼間の頭がスッキリして、仕事や家事の効率が良くなることを示しています。ぜひ「夜を意識した昼間」を過ごしてみてくださいね。

 

 

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