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世界遺産の和食を美しく頂くためには◆◆日本人として知っておきたい和食の本当のマナー

前回:どんなお誘いにも躊躇する必要なし 意外と知らないお食事会パーフェクトマナー

 

クールジャパンとして、日本の文化の魅力が世界中で評価されるようになってきています。

そんなクールジャパンの中でも、日本が世界に誇れる文化のひとつに和食があります。

 

世界中の料理と比較しても、和食の見た目の美しさは群を抜いています。

そんな美しい料理を味わう和食のお食事会では、美しい所作やマナーが必要不可欠になります。

 

ここでは、あなたの所作の美しさを最大限アピールできるような和食でのお食事会のマナーについてお教えしていきたいと思います。

 

 

Lesson1 和食について

世界的に知名度の高い「和食」という名前ですが、厳密には家庭料理も含む日本の食文化全体のことを「和食」と言い、料理店で提供されるような技術を要する料理やおもてなし料理を「日本料理」と言います。

 

日本料理は、初物や旬などの季節感のある食材を大切にすることが特徴です。

料理を味わう際には、表現された季節感を存分に味わうようにしましょう。

また、日本料理は、さらに「本膳料理」「会席料理」「懐石料理」の3つの形式に分けられます。

 

・本膳料理

室町時代に武家の作法から確立され、日本料理のなかで最も伝統的で格式が高い料理です。

器の並べ方から食べる順序に至るまで、細かい作法が決められています。

 

・会席料理

料亭や結婚披露宴などでお酒と一緒にいただく料理で、現在の日本料理の主流といえるものです。

お酒を楽しむことが前提となっているため、料理の出し方の順序も決まっていて、飯や汁などは最後に出されます。

 

・懐石料理

茶会の席でお茶を頂く前にもてなされる食事のことです。

一汁三菜を基本としていて、飯や汁から供されます。

同音の「会席料理」と区別するために、「茶懐石」と呼ばれることもあります。

 

 

Lesson2 料理人とのコミュニケーション

和食をリスペクトするためには、その料理を作ってくれる料理人に関しての情報を知っておくことが必要です。

和食を作ってくれる料理人の呼び名としては、「板前」という名前が一般的です。

 

客前にあるカウンター内を「板場」と呼び、そこで働ける職人を「板前」と呼ぶことが一般的です。

実は、その和食の職人の世界には、私たちが思っているよりもはるかに厳しい上下のヒエラルキーが存在しているのです。

 

板場の総責任者は、「板長(いたちょう)」や「花板(はないた)」などと呼ばれます。

他の板前や見習いたちを監督しつつ、献立全般を定めて調理作業を指揮します。

カウンターに立つ際は、最終の調理を担当しつつ来客応対が主な業務になっています。

 

板長と懇意になれることが、和食店での一種のステイタスともなります。

板長の料理へのこだわりを知ることで、お料理を何倍も楽しむことができるからです。

 

板前さんたちを労うひとつの方法として、差し入れがあります。

飲食店へ食べ物を差し入れしてよいのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、板前さんは研究熱心な方が多いので、食べ物の差し入れは大歓迎されます。

食べるのに手間のかかるフルーツなどは避けるようにして、簡単につまめるような旬のフードを持参するようにしましょう。

 

会話の話題にもなって、一石二鳥です。

 

 

Lesson3 間を楽しむ

席に着いてからや次の料理が運ばれるまでの間や雰囲気も、楽しむようにしましょう。

美しく書かれたお品書きを見ながら、あれこれ会話をすることも、和食ならではの楽しみです。

 

お店の方に「夏らしい一品ですね」「この魚はどこ産のものですか」などと問いかけてみましょう。

おいしかったら、素直に感動を言葉にするだけでもよいでしょう。

 

あくまでも「和」の雰囲気を大切にしながら、適度な「間」を生かすことが、古くから伝わる伝統的な会話の楽しみ方と言えます。

ただし、話を盛り上げようとして自分ばかり話す行為はNGです。

せっかくの楽しい時間ですから、参加しているメンバー全員がゆったりとおいしく食べられるように気遣いをしましょう。