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陽気で美味しいイタリアン 思う存分楽しみながらも押えておきたいイタリアンの本当のマナー

 

前回:世界遺産の和食を美味しくいただくためには 日本人として知っておきたい和食の本当のマナー

 

ピザやパスタなどがすっかり日本人の国民食になってきて、カジュアルなイメージが強くなってきたイタリアンです。

フレンチより難易度が低く、フレンチよりもかしこまっていないイタリアンは、お食会として最適なチョイスです。カジュアルでかしこまっていないイメージの強いイタリアンですが、本格的なイタリアンには独自のマナーが存在しています。

一般的なマナーが広く周知されているフレンチと違い、イタリアンのマナーを守れていると「こなれ感」をアピールすることができます。

 

ここでは、イタリアンの楽しさを味わいつつ、あなたの所作の美しさを最大限アピールできるようなイタリアンでのお食事会のマナーについてお伝えしていきたいと思います。

 

Lesson1 イタリアンについて

素材の持ち味を生かす手法で調理されるイタリアンは、日本の食材と相性が良く、今では日本人の生活の中にすっかりと定着しています。

 

近年、急速に浸透してきている日本のイタリアンですが、実は日本におけるイタリアンの歴史は古く、日本で最初に誕生したイタリアンレストランは明治時代にまでさかのぼります。

日本で最初のイタリアンレストランは、1881年(明治14年)に新潟県で誕生しました。

イタリア人のピエトロ・ミリオーレが作った料理を提供する本格的なイタリアンレストランで、「イタリア軒」という名前でした。

現在でも、ホテル内のレストラン「ホテルイタリア軒」として営業を続けています。

 

戦後には、日本各地にイタリアンレストランが次々と誕生し、西麻布の「アントニオ」や六本木の「キャンティ」など、日本のイタリアンのレジェンド的な店がうまれました。

さらに、バブル期には「イタメシ」ブームが到来し、落合務さんの「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」や山田克己さんの「リストランテ・ヒロ」など、お店だけではなくシェフがフォーカスされるようになってきました。

 

最近では、「肉専門のイタリアン」「魚専門のイタリアン」など、素材による細分化が進んでいます。

Lesson2 イタリアンレストランについて

一口にイタリアンレストランといっても、たくさんの種類のお店があります。

利用するシーンや一緒に食事を楽しむ相手に合わせて、レストランをチョイスしましょう。

 

・リストランテ

イタリアンレストランの中でも最も格式が高い高級店で、コース料理を中心に提供しています。

・トラットリア

リストランテよりもややカジュアルで、アラカルトで注文することやシェアするという食事も楽しめます。

・バール

カジュアルな雰囲気で飲食を楽しめるイタリアンのお店として、人気になっています。

・オステリア

町の食堂のような庶民的な雰囲気のイタリアンレストランです。

・ピッツェリア

ピッツァを焼く専門の釜がある、ピッツァを中心にしたメニューが楽しめるお店です。

 

 

Lesson3 イタリアンとフレンチのマナーの違い

同じ洋食なので混合しそうですが、イタリアンとフレンチではマナーが微妙に違います。

この際なので、復習しておきましょう。

 

・スープの食べ方

フレンチでスープを食べるときには、奥から手前にスプーンを動かしてスープをすくいます。

しかし、イタリアンではスプーンを手前から奥に運びます。

 

・手づかみ

イタリアンもフレンチも基本的に手づかみで食べてはいけません。

しかし、イタリアンの場合、ピザなどは手づかみで食べてもOKということになっています。

 

・食後

食事を終えたことを告げるサインとして、ナイフとフォークの置き方があります。

フレンチの場合は、ナイフとフォークを時計の3時か4時の角度に斜めに置きます。

しかし、イタリアンの場合は、ナイフとフォークを皿の真ん中にとがった方を上にして6時の角度に置きます。

 

 

Lesson4 食器を味わう

ファッションや美食で知られるイタリアの食器は、料理を引き立たせるシンプルなものから個性的でインパクトのあるデザインのものまで、様々なものがあります。

 

イタリアの食器のデザインには、植物やフルーツなどをモチーフにしたものが多いことも特徴です。

 

そんなイタリア食器の中でも、「リチャードジノリ」はイタリアを代表する食器ブランドになっています。

リチャードジノリの創業は1735年と古く、さらに創業者が貴族という由緒正しいブランドです。

「ベッキオホワイト」と呼ばれる軽やかで独特な白い陶磁器は、その気品あるたたずまいから、ナポレオンの妻マリー・ルイーズや神聖ローマ皇帝フランツ2世、エジプト総督などの皇族や貴族に愛用されていました。

「ベッキオホワイト」の他にも様々なモチーフを採用しています。

 

日本や中国への憧れが強く現れた「レッドコック」、様々な果物を色鮮やかに描いた「イタリアンフルーツ」、愛らしいリボンと花の組み合わせの「ジュリエッタ」など、多くのシリーズがあります。

とくに「イタリアンフルーツ」は、もともとトスカーナの貴族のために作られた作品であり、特に上流階級の人々に好まれて世界中で大ヒットとなりました。

 

現在は、オリエント・エクスプレス号の食器にも正式採用されています。

オリエント・エクスプレスは、言わずと知れたヨーロッパの超豪華観光列車です。

 

遠いヨーロッパを走る由緒正しき列車のレストランと同じ食器で食べているだけで、お料理の味もワンランクアップするように感じるのではないでしょうか。

 

 

Lesson5 お店とのコミュニケーション

トラットリアやリストランテでのメニューの基本構成は、下記のようになっていますよね。

 

  • アンティパスト
    前菜
  • プリモ・ピアット
    パスタやリゾットなど炭水化物料理
  • セコンド・ピアット 
    肉や魚などメイン料理
  • コントルノ 
    メイン料理に合わせる野菜料理
  • デゼール 7
    デザート

 

これ以外に、チーズやサラミをチョイスできたり、スペシャリテがあったりすることもあります。

 

これらは全部頼まなくてはいけないわけではありませんが、複数のメンバーでのお食事会のときにはオーダー時に注意が必要です。それぞれで違った品数をオーダーする際には、いつのタイミングで何の料理を持ってきてほしいのかを、しっかりと伝えるようにしましょう。

 

細かすぎるオーダーはお店側に迷惑かと思いがちです。

しかし、美味しい料理を美味しい状態で食べてもらうことは、お店にとってもうれしいことです。

 

遠慮せずに美味しく食べられる提供のタイミングをお店の方と相談しながら、オーダーするようにしましょう。

 

◆◆

 

 

いかがでしたでしょうか?

イタリアンでのお食事会のマナーについてわかっていただけたはずです。

イタリアンは、庶民的なピッツェリアから高級なトラットリアまで種類が豊富ですが、その全ての種類のお店がお食事会に向いています。それぞれのランクのお店にあわせたマナーは、膨大な数になります。しかし、それを使い分けてこそ、あなたの魅力がより一層輝くと言っても過言ではないでしょう。

 

 

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