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健康的な食事について学ぼう!ベジタリアンとヴィーガンについて

 

美味しい物をいただく機会が増える年末年始。忘年会や新年会などで暴飲暴食がたたり、うっかり体重が増えてしまった、という経験がある方も多いのではないでしょうか。

今回は、健康的な食事についてご紹介します。

ローフードやマクロビオティックなど特殊な食事法や今話題のベジタリアンとヴィーガンについて学んでみたいという方はぜひ参考にしてみてください。

 

ベジタリアンの定義

 

ベジタリアンのベジとは、ベジタブルではなく「健全な」「新鮮な」「活力のある」という意味のラテン語のvegetus(ベジェトゥス)が語源です。

ベジタリアンと一口にいってもたくさんのタイプに分けられ、植物性食品のみを食べるヴィーガンは、ベジタリアンの一種に含まれます。

このほかにも、

 

・ラクト・ベジタリアン(植物性食品と乳製品は食べる)

・ラクト・オボ・ベジタリアン(植物性食品と乳製品、卵は食べる)

・ペスコ・ベジタリアン(植物性食品と魚、卵、乳製品は食べる)

 

上記の種類以外にも、多くのカテゴリーに分類されています。

アレルギーや病気など健康のため、自身の考え方、環境のためなど、ベジタリアンになる背景は個人によって様々です。

 

ヴィーガンの定義

ヴィーガン(Vegan)とは「完全菜食主義者」のことで、野菜や果物を中心とした食生活を送る人々のことを指します。

ヴィーガンの方は肉や魚はもちろん、卵や乳製品、はちみつといったすべての動物性由来の食材を使った食べ物を取り入れないことを主義としています。

 

また、動物愛護や脱動物搾取という思いからヴィーガンになることを選択する人が多いのも特徴です。

食生活だけでなく毛皮やニットを使わない衣類や、製造過程で動物実験をしていない化粧品など、生活の中で使うものにおいても動物性由来のものを避ける生活を送る人をエシカル・ヴィーガンと呼ぶこともあります。

 

動物性の食材は消化負担が大きく、とくに腸内環境が悪化しやすい状態になるなど、内臓に負荷をかけやすいといわれています。

日本人は体質的に乳製品や牛乳に含まれる乳糖が分解しづらいともいわれているので、動物性のものやバターなどの乳製品を減らすことから始めてみると、ダイエットの効果を実感できるかもしれません。

 

ヴィーガンの歴史

 

ベジタリアンという概念は、1809年にイギリスのキリスト教会にて誕生しました。

「ベジタリアンの実践はキリスト教の信条に基づく」として、穀物・野菜・豆類などの植物性食品を中心にした食生活(卵と乳製品は本人の選択による)を行う運動がスタートしたのです。

1847年には、英国ベジタリアン協会が発足。ラテン語で「健全な、新鮮な」を意味するVegetusから「ベジタリアン」という言葉を生み出しました。その後、1850年には米国ベジタリアン協会が発足しています。

 

1940年代に入ると、畜産業による動物搾取が一部の人たちの間で問題になっていました。

ベジタリアン協会の会員だったドナルド・ワトソン氏が「ベジタリアンは乳製品を摂るべきか?」と疑問をぶつけたこともあったそうです。

こうした動きがある中、1944年にワトソン氏と数人のメンバーがヴィーガン協会を立ち上げ、「ノン・デイリー・ベジタリアン(乳製品を摂らない菜食主義)」を掲げました。

このとき、ワトソン氏によって「ベジタリアンの終わりとはじまり(The beginning and end of vegetarian)」の意味合いを込め、Vegetarianの頭と語尾を採って「Vegan(ヴィーガン)」と名付けられました。

1949年、「人間による動物搾取からの解放を信条とする」「食品に限らず、人間が動物の命や権利を搾取することを終わらせる」ことがヴィーガンの定義に加えられました。

次第に環境破壊を懸念する意見は広がっていき、ヴィーガンは乳製品に限らずあらゆる動物の命や権利を奪うものを避けるように。

 

ヴィーガンはアニマルウェルフェアや環境の保全といった目的を含んだ言葉へと変化していきました。

ローフードとは

 

ローフードとは、加熱処理がされていない生の野菜や果物、ナッツ類などを指す言葉です。

手軽に手に入るローフードには、食物酵素がたっぷりと含まれていることから、 私たちの体にさまざまな嬉しい効果をもたらすといわれています。

 

欧米では90年代頃から広まり始め、数々のローフードに関するお店がオープンしました。

日本では、芸能人の間で流行したグリーンスムージーが健康食ブームの火付け役になったこともあり、ローフードを実践される方が徐々に増えてきています。

マクロビオティックとは

 

マクロビオティックとは、野菜はその土地の、その季節に摂れるものを食べること(身土不二)や、食材そのものは丸ごとでバランスがとれており、穀物や野菜の全てを摂ることでからだのバランスがとれるという考え方(一物全体)を指します。

 

またマクロビオティックでは、すべてのものに「陰」と「陽」がある、という「陰陽調和」といった考え方があります。

自然との調和や季節にあった陰陽のバランスをとることを大切にしているため、陰陽どちらかを極端に摂取しないことが大切です。そのため、穀物や根菜、豆類などを食材の中心とします。

 

プラントベースフードとは

 

プラントベースフードとは、植物性の食材からなる食品を指します。

プラントベースフードでは「野菜、果物、全粒穀物、植物油、ナッツ」など植物性の食材を中心にバランスよく摂ることを大切にしていますが、乳製品や卵など動物性の食品は禁止ではありません。

 

生活習慣病の発生リスクが低下するなどの健康上のメリットから、アメリカではプラントベースフードを選択する人が増えてきているそうです。

 

◆◆

 

野菜中心の食事法は、健康的な食生活につながることはもちろん、自然環境とのバランスにも深くかかわっています。

マクロビオティックの野菜をまるごと食べる考え方のように、いままで捨てていた皮や葉なども食べることは、ごみの減少にもつながります。

ご自身のライフスタイルに合わせて、ベジタリアン生活に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

次回:「世界や日本におけるヴィーガン、ベジタリアン事情」をお送りいたします。お楽しみに!