P社に再入会したのはもうすでに43歳を過ぎていた。
以前のアドバイスで30代女性は結婚に関して彼女たちの意識の面で難しい年齢だと聞いていたが、40代女性に会ってみるとその違いに気が付いた。多くの女性が結婚を焦っている。30代のようにえり好みする傾向も少ない。バツイチで子供が中学、高校に通っているくらい大きくなって再婚相手を探している女性も多くいた。
以前との状況の違いが見えた。
同時に私も焦っている。
そして婚活が日常になってきた。
こうやって紹介を受けてファーストコンタクト、数回デートをして破談して、また次の女性と会う。この繰り返しが当たり前の日常になってきた。
両親はやはり激しい婚圧が続く。電話してくるたびに結婚の話をして、私は休みの日は実家に帰れない。同級生が結婚したこと、子供ができたことなど悔しくて仕方ないらしい。話しの内容が他人との比較ばかりで聞いていて気分が悪い。
そんな中、父がとうとう息を引き取った。母と妹は号泣していたが私は涙がでなかった。
あそこまで母は痛めつけられたのになぜ涙がでるのかわからない。私は将来の妻にこのようになっては欲しくないし、絶対にそうさせない。
それから半年後、やっと「出会い」があった。
音楽関係の会社に勤める一歳年下の女性。
口数が少なくおとなしい性格なので、どうしても私が話し続けてしまいそうで不安だったが、なんとか2度目のデートをOKしてもらえた。その後も交際は続き、アドバイザーも真剣交際を薦めてきた。
真剣交際になれば定期的な紹介はストップされ、一人の女性に交際が限定される。
私は真剣交際を希望したが彼女は実家に帰る予定があるのでと保留を願い出た。
私はこのまま断られると予想していたが、なんと彼女から真剣交際OKの連絡があった。いままで長い間、たくさんのことがあった私は退会、結婚にたどり着けるのか、まだ信じることができなかった。
デートを重ねていくなかで、将来のことについても徐々に話をしていった。彼女は今までの女性とは違って話に乗ってきてくれた。はじめの印象以上に好感触だった。
婚活を始めて出会った女性は婚活パーティーで数分話した女性も含めて、今まで約700人。すべてフラれたと数えてよいだろう。もちろん自分の男性としての魅力や性格にも問題があるが、彼女たち側にも問題がある時もあった。ほんとに結婚相手を考えているのか?どんな男性を求めているのか?そもそも男性と結婚という同じ人生を歩もうと思っているのか?そんな女性が多かった。
しかし彼女は驚くほど違った。
それゆえ、ここまで婚活失敗続きで打ちのめされた自分には、信じられない対応だった。
やっと結婚できるのか?
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真剣交際の後、2回目のプロポーズをするためにレストランを予約した私は、本当に結婚できるのだろうかと不安が募っていく。