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自然の恵みを称える一皿。「レストKヤマウチ」〈前編〉

 

遠方からの知人をもてなす際に、名古屋らしい食事を、と考えることは少なくない。

しかしたびたび名古屋を訪れている人、あるいは、名古屋に帰郷する人を名古屋の食事で迎える、というのもいささか気が引ける。

食卓をともにする相手のことを思い、考えを巡らす時間が惜しい訳ではない。むしろそれは尊いものですらあるが、だったらなおのこと店選びは慎重になるというものだ。

 

そんなときに『レストKヤマウチ』という存在はありがたい。

名古屋や愛知の素材をふんだんに使った、革新的なフレンチが味わえるからだ。ここでの一皿にじっくり向き合えば、まだ知らない愛知の食の魅力に気づくことができるだろう。

 

「地産知称」をコンセプトに料理を展開する

錦の繁華街。引く手数多の誘惑をすり抜け、『レストKヤマウチ』を目指す。

エレベーターを降りるとすぐに入り口になっており、個性的な店のロゴが出迎えてくれる。

オーナーシェフ・山内賢一郎氏の生まれ干支である“申”をあしらっていると聞けば、山内氏がいかにユニークな着眼点を持っているかが、このロゴひとつをとってもわかることと思う。

 

 

店内は、ロゴと同じく紅色がベースになった上質な空間。繁華街の喧噪を全くと言っていいほど感じない、どこかドラマチックな雰囲気が漂う。

それは、さながら映画のワンシーンのような。ここへ来ると誰もが「主人公」になりうる。

 

開放的なテーブル席を中心に、広々とした個室も4部屋ある。ガラス張りになっており、きらびやかな錦の街を眼下に見渡せる。

もし、連れ合いとより親密な関係を築きたいなら、隠れ家のようなカウンター席へ案内してもらうといい。非日常の感覚を味わいながら、時間を忘れて寛げることだろう。



この店を統括する山内氏は、18歳から料理の道を志し、神戸の「オステリア エノテカ ダル ジュンジーノ」の八島淳司氏や「ホテル ザ・リッツ・カールトン大阪」メインダイニング「ラ・ベ」の元料理長・デビット・セニア氏のもとで、型にはまらない独創的なフレンチの在り方を身につけた。

拠点を関西から名古屋に移すと、「ラ・グランターブル ドゥ キタムラ」の北村竜二氏に師事。

ここでは副料理長として研鑽を積んだという、根っからの“学び人”だ。

 

店を開いたのは2014年。これまで師匠たちから学んだことを自分の世界観で皿の上に表現したいと考えた。

 

そんな山内氏がこだわるのは、「地産知称」であること。

よく聞く「地産地消」ではない。あえて意味のある漢字を当てたのには、海の幸も山の幸も豊富で、さまざまな調味料が個性を光らせる土地・愛知の食の魅力を、広く世界にも知らせて、そのすばらしさを称えたいという思いがあるからだ。

 

そんなシェフが、さわやかな笑顔を携えながら静かに呟く。「本日の一皿は、海外でも好評を博した、サプライズなデザートです」。

 

自信たっぷりのその言葉に、年甲斐もなく、心の奥が躍るのを感じた。

 

店舗情報

店名 レスト ケイ ヤマウチ(RESTAU K YAMAUCHI)
お問い合わせ 052-222-6252
住所  愛知県名古屋市中区錦2-12-21 錦カナアンビル 3
営業時間
12:00~15:00(LO12:30)
17:30〜22:30(LO19:30)
日曜営業
定休日 火曜日 不定期で連休あり(詳しくはホームぺージをご覧ください
駐車場

HP

http://french-yamauchi.com/ja/

新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

 

 

<後編へ続く>

 

 

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