GOURMET

静謐な時間がもてなす大人の焼き鳥。「焼とり 鳥さわ 名古屋店」<後編>

常連も新参者も食すべき“名刺がわり”のひと皿

前編▶静謐な時間がもてなす大人の焼き鳥。「焼とり 鳥さわ 名古屋店」<前編>

「鳥さわ」に来て食べない者はいない——と言ってしまうには些か大袈裟かもしれないが、この店の“名刺がわり”でもある「冷製四種盛り」をいただく。

部位はそれぞれ手前から時計回りに、もも、むね、肝、ささみ。どれも肉の旨味を損なわないようじっくりと低温で調理されている。そこからさらに、もも肉は軽く炙って、むね肉は昆布締めに、肝はごま油でコンフィ仕立てに、ささみは香草とオイルでと、四種四様の調理法で仕上げるといったこだわりよう。一つひとつをゆっくりと口に含むが、そのどれもが違いを主張してきて味わい深い。まさに、鳥一匹をそのまま仕入れている同店だからこそ、そして肉を知り尽くした安達氏だからこそなせる一皿。“名刺がわり”と紹介したのは、そういった所以だ。

 

この一皿には、ぜひ日本酒の「赤面」を合わせてみてほしい。真紅の隈取りを施したエチケットがインパクト抜群の一本だ。大辛口とは謳っているが、岐阜県の清らかな水で丁寧に醸されているからか、実に繊細な口当たりですっと飲めてしまう。4つの個性を邪魔することなく引き立たせてくれる“名役者”とでも言おうか。

 

店のしつらいといい、4種の鶏の個性といい、この酒といい。驚きとギャップの連続に、つい頬が緩んでしまうというものだ。

 「捌く段階で盛り付ける器も含めて頭の中にイメージするようにしています。ひと味違う鶏料理を、目で見て、召し上がって感じていただけたら」と安達氏。もちろん、串は一本から気軽に注文でき、シメの親子丼や鶏出汁ラーメンなどのカジュアルなメニューも用意されている。肉に精通した同店が誇るこだわりの料理の数々を、ぜひ堪能してみてほしい。

 

 

<店舗情報>

焼とり 鳥さわ 名古屋店

名古屋市中村区名駅三丁目21-7

052-562-1129

17:0024:00L.O.23:00

無休

https://www.xn--ogt56tz0a.com/torisawa-nagoya/index.html

 

※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

 

 

前編▶静謐な時間がもてなす大人の焼き鳥。「焼とり 鳥さわ 名古屋店」<前編>