FOOD

【老舗の改革】ういろの概念を変えた「ウイロバー」と「ういろモナカ」

ウイロバーは20157月、ういろモナカは20176月に販売をスタートしました。

当時ういろを食べて下さっている方の多くが高齢者で、若年層に興味を持たれないという背景がありました。どうにかして、若い人たちに食べてほしいという想いから、見た目も食べ方も今までとは異なるウイロバーういろモナカは誕生しました。

 

老舗だからこその挑戦

ウイロバーの誕生秘話をよく聞かれますが、ういろを切った状態は、角に丸みを帯びてとてもかわいい形をしています。ですのでそれまでの常識にとらわれず、ういろを立ててみることにしました。そしてバーをさしたら、心躍ったというのが正直なところです。

ウイロバーは、ビジュアルが大切。食べきりやすいサイズ感はもちろんですが、ういろを切り分けるというのが大変なことも承知していますので、その部分もしっかり考慮しています。

ういろにバーをさす作業は現在もすべて手作業です。職人さんへの負担も大きく、ありがたいことに想像を超える売れ行きで、最初は腱鞘炎になる職人さんもいるなど、本当に大変でした。そこで工場長から「似たようなコンセプトの違う商品を作ってほしい」という直談判がありました。今思うと、とても面白いストーリーですが、当時は大変でした。

 

同じようなデザイン発想で、今度はういろの食べ方スタイルに切り込めないかと考えて生まれたのが、ういろモナカです。

モナカの皮をパリッとしたまま、ういろのもっちり感、餡のしっとり感を味わってほしいという想いがあったので、別々にパッケージするという発想に至りました。

ういろのもっちり感を味わっていただくために、ある程度のういろの厚み、歯触りは必要です。ういろのもっちり感が出るぎりぎりの薄さと、素材3つの食感のバランスは何度も試作し開発しました。

 

新世代のういろで驚きと楽しさを!

そして改革の要、デザイン。ういろは、高級な生菓子のようなお菓子ではなく、日常に食べて欲しい素朴なお菓子です。手に取りやすいイメージ、レトロさを大切に、その中に新しさを表現しました。

2つのデザインに共通させたのは、思わず足を止めてこれなんだろう?と思わせるデザイン。「ウイロって、ういろの事?」「この八角形の箱ういろ?」といった今までにはないデザインで、違和感を与えるというところを狙いました。

今では、ウイロバーやういろモナカは、新しい世代のういろという位置づけを担っています。

発売当初から、ういろが変わった!おいしくなった!可愛い!など、嬉しいお声をいただくことが多く、大変ありがたく嬉しく思います。また、若い女性がウイロバーやういろモナカの前に群がって、可愛い!と写真を撮ってくださったりと、以前は見られなかった光景を目にする機会があります。確実に購買層が若返ったという印象です。

また、昨年末より、自社のオンラインショップを立ち上げました。

やってみて改めて、ウイロバーやういろモナカの持つ力を実感しています。オンラインショップで全国から購入していただける現状に、インスタグラムやFacebookをはじめとしたSNSの発信力の大きさも感じています。SNSなどで投稿されるフォトジェニックな写真を見ながら、商品をお客様に育てていただいているという感覚で、私たちも楽しく拝見させてもらっています。

私たち大須ういろは、名古屋の文化となったういろの文化を継承するため、守るところと責めるところのバランスを上手にとることが不可欠であると考えています。日々、色々なアイディアが浮かび、実現できるもの、少し温めているもの、却下するものを振り分けながら前に進んでいます。

デザインの力を使い、きっかけやチャンスを作る。しかし、その先には日々、地道な職人たちの作業のもとに生まれている、「美味しい」が一番大切なことだと思っています。

 

大須ういろオンラインショップ

 

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