ティータイムのお菓子として大人気の「チーズケーキ」。
トロッとした食感のレアチーズケーキや、どっしりと濃厚で食べ応えのあるベイクドチーズケーキなど、たくさんの種類があります。
今回は、世界中で大人気のチーズケーキの歴史や発祥についてご紹介します。
目次
チーズケーキは古代から食べられているお菓子
チーズケーキの発祥には2つの説があります。
1つは、チーズケーキは中近東のチーズと蜂蜜を組み合わせたお菓子が原型であるという説です。
紀元前2100年ごろ〜紀元前2000年ごろのメソポタミアのウル第三王朝時代に作られた辞書のなかには、「蜂蜜チーズ」という単語があります。
同じくメソポタミアでは、チーズを材料としてつくったとされる「フルーツケーキ」が王家の食品リストに含まれています。
もう1つは、古代ギリシャに存在した「トリヨン」という食べ物が原型であるという説。
この「トリヨン」は、チーズに乳や卵、小麦粉を混ぜて茹でたもので、チーズプリンに近いものだそう。
「トリヨン」は紀元前776年の第1回オリンピックで、選手たちに提供されていたのです。
また紀元前5年にはギリシャの医師によって、チーズケーキに似たお菓子の料理法の記述が残っています。
日本でチーズケーキが誕生したのは平安時代
日本人が乳製品を食べるようになったのは、肉食が解禁された明治時代以降とする説が一般的です。
しかし、日本人は平安時代まで牛乳を飲み、乳製品を食べていたという説もあるのです。
645年、孝徳天皇に献上する薬として牛乳の記録が残っています。また、この時代の日本では、「酪」と「蘇」という2つの乳製品が作られていたことから、この説の信ぴょう性は高いでしょう。
「酪」はヨーグルト、または練乳のようなもので、
「蘇」は乳を濃縮した乳製品で、クリームやバターに近いものでした。
奈良時代までは皇族だけが食べられるものだった乳製品ですが、平安時代になると貴族の間でも食べられるように。
平安時代にはすでに蜂蜜や砂糖などが存在しており、これらを使って蘇を甘くして食べていたそう。平安時代には、チーズケーキに近い乳製品が存在していたようです。
しかし、この乳製品を食べる文化は、鎌倉時代の訪れとともに終わりを迎えます。
仏教における肉食禁止令の発令と、乳製品を皇族と貴族だけが独占していたことで、鎌倉時代の実権を握る武士たちに浸透しなかったからです。
近代のチーズケーキの誕生はどのお店?
時代は進み、西洋化が進む明治時代に、再びチーズケーキが登場します。
しかし明治初期は肉食が解禁されて間もない時代。それ以前は牛乳を飲むことがタブー視されていたことから、急にチーズケーキを食べる習慣など、身につかないのは自然といえるでしょう。
日本のレストランでチーズケーキを提供した第一号店となったのが、銀座のドイツ料理店「ケテル」。
第一次大戦時の青島における日本軍捕虜として日本につれてこられたドイツ人ヘルムート・ケテル氏が、1930年に銀座にオープンしました。
戦中、戦後の日本で本格的なドイツ料理を食べられる稀有なお店として、日本にいるドイツ人の人気を集めたそう。
1946年には、レアチーズケーキと焼いたタイプの2種類のチーズケーキが提供されました。
残念ながらこちらの「ケテル」の店舗は閉店してしまったのですが、京都で有名な喫茶店「イノダコーヒ」に引き継がれており、現在も各店舗で歴史あるドイツのチーズケーキがいただけるそうですよ。
現在の日本でのチーズケーキの人気店は?
現在、日本にはたくさんのチーズケーキ専門店があります。
その中でも大人気のお店をご紹介します。
・現在でも大阪土産として定番「りくろーおじさん」のチーズケーキ
こんがりきつね色に焼きあげられた、ぷるぷるふわふわ食感が魅力の「りくろーおじさんのチーズケーキ」。
冷やして固める一般的なチーズケーキとは違い、焼きたてのふんわりとした状態で提供される珍しいチーズケーキです。
1984年に販売され、30年以上大阪銘菓として愛されてきました。
こだわりの素材が人気の理由で、デンマークの伝統ある工場から直輸入した、味わい豊かなクリームチーズを使用しています。
また、りくろーおじさんのチーズケーキの特徴の一つでもあるレーズンには、カリフォルニア産のレーズンが使われています。
レーズンを柔らかくふっくらと炊き上げ、自家製シロップで漬け込んでいるので、口に入れると豊かな香りが楽しめます。
りくろーおじさんHP:
http://www.rikuro.co.jp/
・お取り寄せで大人気「Mr. CHEESECAKE」のチーズケーキ
コロナ禍で、おうち時間を楽しみたいと考える人が増える中、注目を集めたのが「Mr. CHEESECAKE」のチーズケーキ。
“人生最高のチーズケーキ” と称され、日本一入手困難なチーズケーキと言われるほどの人気です。
数々の有名フレンチレストランを渡り歩いてきた田村浩二シェフが生み出した「Mr. CHEESECAKE」。田村シェフが、納得のいくチーズケーキに出会えずに試行錯誤して生み出したのがはじまりだそう。
試作を重ねて完成したチーズケーキをSNSにアップしたところ、“食べたい”という声が多く寄せられたことがきっかけで販売することに。
季節ごとに限定のフレーバーが登場するため、年間を通して楽しめることも人気の理由です。
長期保存もできるので、パーティーなどにもぴったりのチーズケーキです。
Mr. CHEESECAKE HP:
https://mr-cheesecake.com/
使用するチーズによっても味わいが変わるため、お店ごとの違いを食べ比べてみるのも楽しいですよね。
ぜひ、お気に入りのチーズケーキを見つけてみてください!
次回はチーズケーキの種類をお送り致します。お楽しみに!