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400年以上の歴史をもつ夏の風物詩「仙台七夕まつり」

例年77日の月遅れである87日を中日とし、86日から8日の3日間にわたって行われている「仙台七夕まつり」。

東北三大祭りの1つにも数えられる、大変歴史が深く地元民からは“たなばたさん”という呼び名で長く愛されてきたお祭りです。

 

今回は、毎年200万人以上の人が訪れる仙台の夏の風物詩「仙台七夕まつり」の歴史や由来、見どころ、楽しみ方をご紹介します。

 

01/七夕まつりとは?

仙台市内中心部や周辺の地域商店街などが色鮮やかな飾りで埋め尽くされる「仙台七夕」。

趣向を凝らしたさまざまな七夕飾りを見ることができ、なかでもアーケード街に飾られる豪華な七夕飾りは圧巻です。市民広場ではステージイベントや七夕の歴史が学べる展示、宮城のおいしいグルメを味わえる出店や七夕限定パッケージの土産品が販売されるなど、七夕ならではの楽しみ方がたくさんあります。7月末ごろになると、仙台空港や温泉地などの宿泊施設でも趣向を凝らした七夕飾りをロビーなどに飾り、滞在客を楽しませてくれます。

実はそんな仙台七夕まつりには「雨ジンクス」という、仙台市民の中では有名な言伝えがあります。“3日間のうち必ず1日は雨が降る”というものです。また、天気が悪くて会えない織姫と彦星がカップルを妬んで呪いをかけ「カップルが別れる」という噂もありますが、ご安心を。都市伝説にすぎませんので、カップルでお祭りに行っても楽しめること間違いなし!だそうです。

02/七夕のはじまり

古代中国で始まった七夕。そんな七夕は牽牛星(彦星)と織女星(織姫)が、年に1度だけ天の川を渡って会うことができるという星祭り伝説と、機織りや裁縫が得意だった織姫にあやかって手芸の上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」という行事が、一緒になったものと言われています。

七夕は奈良時代頃に日本に伝わり、宮中行事として行われるようになりました。その後、武家や民間に広がっていき、笹竹に短冊、吹き流しという七夕飾りの基本の形が定着していったそうです。

「たなばた」という呼び名は豊作を祈って神に捧げる神衣を織る棚機津女(たなばたつめ)に由来し、外来の中国語「七夕」を日本語読みにしたものだそうです。

03/仙台七夕の歴史

諸説ありますが、江戸時代に藩祖伊達政宗公が子女(しじょ)の技芸が上達するようにと願いを込め、七夕まつりを奨励したのが始まりとされ、以来仙台の伝統行事として民衆に広まりました。初期の七夕まつりは現在のように華やかなものではなく、手芸の上達や豊作を祖霊に祈る素朴なお祭りだったそうです。そして、明治維新の改革や不景気などで七夕まつりの開催頻度は減少し、中断した時期もあったとか。そんな中、七夕まつりを復活させようと仙台商人の有志たちが本格的に復活させ、現在の豪華な祭りへと発展しました。その後規模は大きくなり続け、毎年200万人以上が訪れる日本一のスケールを誇る七夕まつりになりました。

なぜ、一般的な七夕として知られる77日に合わせないのでしょうか。それは、もともと旧暦の伝統行事だったためです。それで、月遅れの8月に開催するようになったのだとか。その方が季節感も合うのでいいかもしれませんね。

 

04/七つ飾りに願いを込めて

一般的に知られる七夕飾りは、短冊に願い事を書き笹の葉に飾るものですが、仙台では「七つ飾り」に願いを込め飾るそう。

七つ飾りとは「短冊」に加え、富貴や貯蓄を願う「巾着」、清潔と倹約を願う「屑篭」、豊漁を願う「投網」、家内安全や長寿を願う「折鶴」、技芸の上達を願う「吹き流し」、裁縫の上達や病気や災いの厄よけを願う「紙衣」があります。また、吹き流しの最上部に「くす玉」という丸い飾りが付くのも特徴です。

05/仙台七夕の最大の特徴

最大の特徴であり、最大のこだわりでもあるのが「和紙」を使用すること。

伝統的な京千代紙や江戸千代紙などを飾りに用いります。特徴の異なる和紙を巧みに使い、お店ごとに趣向を凝らした飾り付けを用意するそうです。毎年新しく手作業で作られている七夕飾りは、1月頃にデザインを決め、2月頃から仕事の合間などを活用しながら作成を始めます。約半年もの時間をかけて、想いの詰まった七夕飾りが完成するのです。

コロナウイルス流行前は目線の高さまで吹き流しが垂れていたため、実際に和紙の触り心地を楽しむこともできました。近年は感染防止の観点から、高い位置に飾られ触れることはできないようです。地元の方々は目線の高さまで吹き流しが垂れ、それを触ったりくぐったりしながら楽しむ七夕祭りが再び開催されることを願っているようです。

06/七夕まつりの楽しみ方

グルメや多彩なステージイベントなどを楽しむのもいいですが、なんといっても楽しんでいただきたいのが豪華な笹飾り。大きな竹を山から切り出し、小枝を払い、準備を行うのはお祭り2日前の朝ということですから、たった2日で切り出しから飾りつけまで行うことになります。

そして、毎年一番町に飾られる「折り鶴の吹き流し」も見どころのひとつとなっています。これは、故郷復興プロジェクトの一環として、仙台市立学校に通う小中学生ひとりひとりが、復興への願い、支援への感謝、未来への希望など、願いを込めて折った鶴でできているそう。たくさんの鶴が繋がり寄り添う姿に感動する事間違いなしです。

また、期間中は市内全域で七夕飾りを見ることができるので、各地の七夕飾りを見比べてみるのも面白いかもしれません。そんな時におすすめなのが仙台駅を起点に観光スポットを循環している「るーぷる仙台」。1日乗車券を利用してお得に仙台市内を巡ってみてはいかがでしょうか。

 

 

◆◆現代へ続く仙台七夕まつりの良き伝統

いかがでしたでしょうか。

七夕まつりは七つ飾りやこだわりの和紙など、400年間続く良き伝統が現代でもきちんと守られていることにも感動します。時代が進む中で、新しい試みも加えつつ見る人を魅了する紙と竹の優美な祭典は、これから先も仙台の誇れる文化として継承されていくことでしょう。今年も様々な制限化で行われる仙台七夕祭りですが、足を運べば開催する方の情熱や豪華な七夕飾りに元気をもらえるはずです。

 

さて皆さんは、七夕にどんな願いを込めますか?

 

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