WEDDING

ちょっと気になる世界のウェディング事情【南米編】

世界中の花嫁たちが夢見る結婚式。教会での厳粛な挙式から、リゾート地での開放的なガーデンウェディングまで、そのスタイルは様々です。前回は、北米の国々をご紹介しました。今回は南米のウェディングをご紹介します。奇跡の絶景スポットとして知られるウユニ塩湖があるボリビアや、世界最大級の滝・エンジェルフォールで有名なベネズエラなど、自然が多く観光地としても人気の高い南米では、どんな結婚式が行われているのでしょうか。 

ボリビア

ボリビアでは、法的な結婚は民事婚のみ。欧米諸国のように教会で行う宗教婚は、法的効力を持っていません。ですが、多くのカップルが民事婚前後に盛大な結婚式を挙げるようです。人口の大多数がカトリック教徒のボリビアでは、宗教上の結婚をする場合は、教会で指輪を交換し、誓いの言葉を交わします。式典は約2時間にわたり、音楽団による演奏や讃美歌が歌われるなど、和やかな雰囲気の中で進行します。その後の披露宴では、新郎新婦がダンスを披露するのが一般的だそう。また、招待されたゲストは新郎新婦の前に並び、プレゼントを渡します。プレゼントは生活用品や電化製品、収納棚など大きなものまで様々。このプレゼント渡しの間、陽気なリズムでダンスを楽しみ、披露宴は約2日にわたって行われるようです。 




ブラジル

ブラジルの結婚式ではネクタイカットと呼ばれる一般的な演出があるようです。これは新郎のネクタイを少しずつカットして、幸せをお裾分けする代わりに、新婚旅行や結婚後の生活費の足しにお金をいただくという風習です。また結婚式では、新郎新婦はゲストへのおもてなしにスイーツを準備し、ゲストに喜んでもらえるよう、スイーツのデコレーションなどに工夫を凝らします。披露宴の開始時間は特に決められていませんが、夜8時からスタートすることも多いそう。新婦は遅れて登場すべきという暗黙のルールにより、開始時刻は大幅に遅れることも少なくないようです。そしてそのままパーティは深夜まで続きます。ブラジルではご祝儀やの代わりに、新郎新婦の欲しいものリストからプレゼントを用意します。引き出物という習慣もないので、ゲストが帰るときにお菓子などを渡すのが一般的だそうです。 


チリ

チリには婚約式という、新郎新婦のお披露目会のようなことが行われます。招待するのは家族や親しい友人で、基本的に仕事関係の人は招待されません。また、家族の人数が多いチリでは、新郎側の家族だけで100人、新婦側の家族で100人以上なんてこともざらにあるようです。ご祝儀ですが、チリでは結婚式の際に現金を渡すことはタブーとされているので、代わりに新郎新婦が新居に揃えたいものなどをゲストが用意することになっています。高価なものは何人かでシェアしてプレゼントしても良いようです。チリでもやはり引き出物のシステムはなく、代わりに感謝のカードというメッセージカードが配られます。一通り式が終了した後に開催される二次会は、ひたすらダンスを踊り続けるとか。さすがラテンの国といった感じです。 


ペルー

結婚する前に半年から3年の間、女性側の家で同居するお試し期間があります。日本のような顔合わせなどと違って、本人たちの現状を重視するペルーでは、これが結納のようなものといえるでしょう。また、クリスチャンが多いペルーでは教会で挙げる挙式がほとんど。挙式は一般的なミサの日に行うので、その時間帯に教会に通っている常連さんや、通りすがりの方がいることもあるそうです。定番のブーケトスには男性バージョンも。それはウイスキートスといわれ、実際にウイスキーを投げるのではなく、空箱を投げてキャッチした人に実際のボトルが渡されます。披露宴は日本のように形式を重視することはなく、開始時間が30分~1時間遅れることが当たり前のようです。その後は「オラ・ロカ=クレイジーに踊る」で、参加者すべてがクレイジーに踊り狂います。なんと、オラ・ロカ専門の業者もいるようで、新郎新婦が決めたテーマを劇のように披露し盛り上げてくれるそうです。 


コロンビア

コロンビアは民事婚と宗教婚と2種類の結婚制度があり、2016年に同性婚も合法化されました。そんなコロンビアですが、国民の約8割がカトリック教徒なので多くの方が教会で結婚式を挙げます。披露宴はホテルなどの別会場に移動することが多く、バンドの生演奏に合わせて踊るダンスパーティーや、新婦によるブーケトス、未婚の男性陣が靴下の長さを競うイベント(一番長い靴下をはいている人が次に結婚できる人)などが催され、ラテンの国らしく明るく愛に満ちたパーティは明け方まで続きます。ちなみに、伝統的に披露宴の費用は新婦の家族が全て負担するそうです…。また、現在ではあまりやらなくなったそうですが、結婚式数日前に花婿が花嫁に愛の歌を贈るという「セレナータ」といわれるロマンチックな風習も残っているようです。


 

 

いかがでしょうか。

ノリの良いイメージが強い南米の国々。結婚式もその通り、リラックスした雰囲気の中、たくさんの人が集まって盛り上がることが多いようです。

次回は、「日本とココが違う!世界の結婚制度」。ここまで紹介してこなかったアラブ諸国などの気になるウェディング事情を紹介したあとに、世界の婚姻制度についてご紹介します。結婚離れが続く中、世界にはどんな結婚制度があるのでしょうか。お楽しみに。

 

 

Text by yumeka