WEDDING

ちょっと気になる世界のウエディング事情【北米編】

世界のウエディング事情第3弾! 前回はヨーロッパの結婚式についてご紹介しました。ご祝儀の代わりにプレゼントを用意する国や、結婚式の準備をすべて自分たちで行う国など、文化や風習は国によってさまざまです。

今回は、北米の国々をご紹介します。面積1934万平方キロメー トルで地球の全陸地の約14%にあたる広大な陸地を持つ北米では、どんな結婚式が行われるのでしょうか。 

アメリカ

アメリカでは、結婚式を挙げる1ヵ月~1か月半前に、親しい女性を招いて「ブライダルシャワー」を行います。参加者は新婚生活に必要な道具などを持ち寄るのが決まりだそう。その男性バージョンとして開催されるのが「バチェラーパーティー」。結婚前に男性同士で騒いで楽しむという風習です。新郎新婦は式前日になると、両親や付添人を交えて結婚式のリハーサルをし、その後「リハーサルディナー」という食事会が開かれ、当日に備えます。招待されたゲストは、ご祝儀として現金をそのまま渡すことはありません。代わりに新郎新婦が前もって書いた欲しいものリストの中から、自分の予算にあったものをプレゼントします。

そして、アメリカの結婚式では「サムシング・フォー」という風習があります。近年日本でも真似する新郎新婦が増えていることから、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。これは花嫁が

●Something old(なにか古いもの)
●Something new(なにか新しいもの)
●Something borrowed(なにか借りたもの)
●Something blue(なにか青いもの)

4つのものを身に着けると幸せになれるという言い伝え。古いものは、母親や祖母が結婚式の際に使用したアクセサリーなど、家族から譲られた伝統的なものを指します。新しいものは花嫁衣裳の一部である新しい靴や手袋など。借りたものはその名の通り親しい友人などからハンカチ等を借ります。青いものは、目立たないところに身に着けると良いといわれ、インナーに青いリボンの飾りを付ける花嫁が多いそう。青は聖母マリアのシンボルカラーといわれ純潔を意味するようです。

 

メキシコ

メキシコの披露宴では「Chiles en nogada(チレスエンノガダ)」と呼ばれる伝統料理がふるまわれます。これは、メキシコの巨大な唐辛子「チレポブラーノ」の中に、スパイスが効いたひき肉やトマト、みじん切りした野菜、ナッツなどを炒めたピカディージョを詰め、クルミのクリームソース(白)とザクロ(赤)、パセリ(緑)を上にトッピングした、メキシコの国旗カラーを表す華やかな料理です。メキシコではカトリックでない場合、式が落ち着いてきたところで各テーブルに封筒が回ってきます。そこに自分の好きな金額を入れ、それがご祝儀となるようです。また、引き出物らしい引き出物はなく、メッセージカードにキャンディが1個付いているようなものが配られます。

ラテン諸国の結婚式の開始時刻は基本的に夜で、夜中の2時や3時まで飲食やダンスをして盛り上がります。昼間から開催される結婚式の場合も、必ず夜まで繰り広げられるとか。そして結婚式が終わった数日後、新郎新婦が1粒ずつチョコレートを配ります。これは、赤ちゃんが誕生した際にも行うお祝いの風習です。

 

カナダ

景観が美しいクイーンエリザベスパークや、赤毛のアンの舞台となったプリンスエドワード島など、大自然に囲まれて結婚式を挙げることができるのがカナダの魅力。結婚式を行う1ヵ月~1か月半前に、親しい女性を招いて女性だけの「ブライダルシャワー」、親しい男性を招いて男性だけの「バチェラーパーティー」を開催します。式の前日に開催されるリハーサルでは、新郎新婦が親族や親戚、準備などを手伝ってくれた親しい友人にプレゼントを渡すようです。日本でいう引き出物といったところでしょうか。式当日は、新婦の家にリムジンが迎えに来て、新郎たちが待つ式場に向かいます。このリムジンに乗ることができるのは、新婦とブライズメイドのみ。

また、アメリカと同じように、花嫁が「サムシング・フォー」を身に着けると幸せになるという風習があるようです。 

 

キューバ

キューバの新婦は、フリルがたくさんついたウエディングドレスを着用します。これは、ドレスがゴージャスであればあるほどいいとされているからだそう。式では、新郎新婦が新たな人生を共に歩んでいく象徴としてダンスを披露。このダンスの後、結婚式はゲストも交えて熱気ムンムンのダンスパーティーへと変化するのです。また、ゲストの男性は新婦のウエディングドレスのフリルにお金をかけてから踊ります。このお金は、新郎新婦の新婚旅行の足しや、結婚後の生活費の一助になるなど、ご祝儀代わりの重要なお金だそう。他にも、ご祝儀の代わりにギフトをプレゼントするゲストもいるようです。また、引き出物はなく、ちょっとしたプレゼントのようなものが配られます。

ちなみに、前述したような熱気あふれる結婚式を挙げるのにもかかわらず、キューバは離婚しやすい国として知られています。日本と違って、教育費・保育料・医療費が無料のキューバでは慰謝料が発生しません。夫か妻どちらかが離婚を申請して6カ月経過すると、相手が同意しようがしまいが自動的に婚姻関係が解消されるといった離婚制度があるからかもしれません。

 

いかがでしたか。

日本ではあまり見ることがないファーストダンスがポピュラーな海外。カジュアルなパーティでも男女一組になってダンスする習慣があるので、恥ずかしさはないようです。また、日本でも取り入れるカップルが多くなってきたサムシング・フォーの中のひとつ、サムシングブルーにちなんで、バージンロードを青い絨毯にしたり、テーブルを青メインに飾り付けたりする方もいるようです。

次回は「ちょっと気になる世界のウエディング【南米編】。奇跡の絶景が見られるスポット・ウユニ塩湖で有名なボリビアや、世界最大級の滝・エンジェルフォールがあるベネズエラなど、自然が多く観光地としても人気の高い南米ではどんな結婚式が行われるのでしょうか。

 


Text by yumeka