WEDDING

ちょっと気になる世界のウエディング事情【ヨーロッパ編】

神様に永遠の愛を誓う結婚式。みなさんは、世界中の花嫁さんがどんな結婚式を挙げているのか、気になったことはありませんか? ロマンティックな結婚式から、一風変わった結婚式まで、国によってさまざまな伝統や風習があるようです。

前回は、アジアの国々をご紹介しました。3日~1週間かけて結婚式を挙げる国や、たくさん儀式を行う国など、文化や風習は国によってさまざま。

今回はヨーロッパの国々をご紹介します。景色が美しいことで有名なヨーロッパ。さて、新郎新婦はどんな結婚式を挙げるのでしょうか。

 

フランス

日本では、婚姻届けを提出するだけの役所ですが、フランスでは23ヵ月前に予約をしなければ入籍することができません。入籍当日は婚姻届けを提出するだけでなく、家族や友人を招いてちょっとしたお祝いの儀式を行います。また、フランスでは「セレモニーライック(Cérémonie laïque)」と呼ばれる政教分離、つまり宗教にしばられない結婚式があり、その場合は教会で神に誓う儀式をせず、新郎新婦オリジナルのセレモニーを行います。基本的に何に関しても自分でやるという考えを持つフランス人は、ウエディングプランナーは使いません。結婚式も料理やカメラマン、音楽、お花、スタイリストの手配からウエディングドレスのオーダーまで、自分たちで準備するためかなり大変なのだそう。結婚式当日のパーティーでは、食後にダンスで盛り上がるのがフランス流。そのダンスは朝方まで続くようです。

最近のフランスでは「PACS(パックス)」とよばれる同棲以上結婚未満のパートナーシップ制度が目立つようになってきています。つまり、結婚はせずPACSを結ぶといった新しい形の家族が多く暮らしているようです。 

フィンランド

700年の歴史を持つトゥルク大聖堂や、街のランドマークと呼ばれるヘルシンキ大聖堂、世界的にも珍しいと言われるテンペリアウキオ教会など、歴史ある教会が多いフィンランドでは、結婚式は基本的に教会で挙げ、その後、披露宴会場に移動するといった流れ。披露宴会場はホテルなどよりも自宅やパーティー会場のようなところが選ばれているようです。日本のようにプランナーはいないので、新郎新婦と家族、花嫁の友人からなるブライズメイド、新郎の友人からなるベストマンが準備します。参加者は家族の他に親戚や気の知れた友人に限られるなど、仰々しくありません。そして披露宴会場で注目すべきは、ペーパーアイテムや雑貨、飾り付け。さすが北欧の国というだけあって細部にまでこだわりが感じられます。また、サウナをレンタルしてゲストをもてなすといった風習も。結婚式ではブーケトスの他に「ガータートス」が行われます。花嫁が太ももに付けているガーターを新郎がドレスに潜り込み、手を使わずに口だけで取り、独身の男性ゲストに投げるイベント。見事ガーターを掴んだ人が、次に結婚する人と予想されるようです。

引き出物はシンプルにキャンディやチョコレート。また、フィンランドはご祝儀を包む習慣がありません。その代わりに新郎新婦が必要とするものや、欲しいものが書かれたリストが配られ、出席者がプレゼントすることになっています。結婚式が行われるのは夏。明け方まで続いたパーティーの後は、豊かな自然の中をみんなで散歩に行くこともあるそうです。 

ドイツ

ドイツで結婚する場合は、戸籍局で式を挙げなくてはなりません。ここでは証人立ち会いのもと、結婚の意思があるかの確認、書類へのサイン、指輪の交換などが行われます。料理やカメラマン、音楽、花、スタイリストの手配など、結婚式の準備はすべて新郎新婦が行い、ウエディングドレスは購入するのが一般的だそうです。参加者は家族の他に、親戚や気の知れた友人に限られるなど、かなり家族的で、義理で招待することはありません。しかし、パートナーのいるゲストはカップルで参加するので、面識のない方が参加する可能性もあります。また、招待されたゲストはプレゼントを持参する人が多く、招待状に欲しいものを記入しておく新郎新婦もいるようですが、これといって決まりはありません。プレゼントが浮かばない場合は、メッセージカードと現金やギフトカードを贈る方も多いようです。

挙式後はパーティーが開かれ、その見せ場はダンス! はじめに新郎新婦がゲストの前でダンスを披露します。この日のためにダンス教室へ通う新郎新婦もたくさんいるようで、ダンス教室には「結婚式コース」が設けられているそう。ダンス未経験の新郎新婦はその教室で基本的なステップやターンを学び、結婚式当日まで猛練習します。新郎新婦が一曲踊り終えると、ゲストもダンスに参加しひたすら踊るそう。式終了の時間は特に決まっておらず、明け方まで盛り上がった後は、それぞれが適当に家に帰っていくようです。 

スペイン

キリスト教徒が多いスペインでは、ほとんどの人が教会で結婚式を挙げます。また、聖書の中で右手は権力や義を象徴するという意味を持つため、指輪は左ではなく右に付けるようです。スペインでは「Las arras」という13個の硬貨を夫婦で交換し合うといった儀式が行われ、ブライズメイドとグルームズマンが2人の肩をパールや花で作られた特別な紐で包みます。これは二人の強い絆を表すもの。参加者はドイツ同様、家族の他に親戚や気の知れた友人に限られるなど、かなりアットホーム。ですがスペインは、家族の単位が大きいことや、招待者の家族も一緒に参加するため大人数のパーティーになるようです。また、新郎新婦の両親が座る席以外は決まっていません。大きくこだわらないスペイン人のいいところでしょう。

ギフトにはオリーブオイルやハンドクリーム、石鹸などの美容用品が用いられます。子供たちのための専用プチギフトが用意されているのも、子供好きのスペイン人ならでは。結婚式後は家族や親しい友人だけで「ガーデンパーティー」が開かれ、このガーデンパーティーには招待状がなく、新郎新婦も普段着で参加するようなラフで和やかなパーティーです。


 

いかがでしたでしょうか。

海外の結婚式は日本のように時間や席がしっかり決められていることは少なく、比較的自由なイメージ。また、ウエディングプランナーを雇わず、手配や準備はすべて自分たちでするというから驚きです。

 

次回は「ちょっと気になる世界のウエディング【北米編】」。面積1934万平方キロメートルで地球の全陸地の約14%にあたる広大な陸地である北米では、どんな結婚式が行われるのでしょう。

 


Text by yumeka