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国際結婚するときの手続きは思ったよりも大変だった!?

前回は国際結婚の基本的なことについてご紹介しました。苗字や国籍、生まれた子供のことなど、同じ国籍を持つもの同士の結婚と比べると、難しいことが多い国際結婚。しかし、国際結婚が可能とされてからの年月は約150年と意外に長く、驚いた方も多かったかと思います。

国籍にかかわらず、心から一緒にいたいと思える相手と人生を共にしましょう、ということで今回は手続き編。どうやら一度申請するだけで完結するものではなく、かなりの準備を必要とするようです。



日本で最初に国際結婚した夫婦は?

みなさん、どんな事柄についても「いちばんの人」って気になりませんか? 手続きについてお伝えする前に、まずは、日本で最初に国際結婚をした夫婦についてご紹介します。国際結婚が可能になった当時の法律は「内外人婚姻規制」と呼ばれ、外国の男性と結婚した女性は、日本国籍を失うといったものでした。結婚と国籍が切り離して考えられている現在と比べると驚きですが、当時は異なった国籍の男女が夫婦になるといった感覚がなかったので、そのような法律となったのでしょう。そのため、国際結婚する女性は、日本国籍を失ってしまうという大きな問題を抱えていました。大正5年になると、国籍法の改正で、国際結婚しても日本国籍を失わなくて良いというケースが追加されましたが、相手の国の国籍をとることができない場合のみに有効とされ、ほとんどの女性は変わらず日本国籍を失うことになります。現在のように結婚と国籍を切り離して考えられるようになったのは、戦後のことでした。

さて、こうした難しい問題に直面する中で、日本で最初に国際結婚した夫婦はいったいどんな方たちだったのでしょうか。

最初に法として認められ記録が残っているのは、長州藩士で高杉謙信の従弟で義弟にあたる「南 貞助(みなみ ていすけ)」と、イギリス人女性「ライザ・ピットマン」夫妻だったといわれています。出会いは、イギリス。南貞助は、高杉謙信のすすめで幕末と明治時代に2度イギリスに留学し、法律などを勉強していました。この2回目の渡英で出会ったのがライザ・ピットマンという女性だったそう。そこで二人は恋に落ち、結婚するというわけですが、二人の結婚がイギリスで認められたのが1872年、日本で認められたのが翌年の1873年でした。同時に夫婦として認められず、1年の差があることから二人の結婚が簡単にいかなかったことがわかります。1873年というと、日本で最初の国際結婚に関する法律が制定された年です。実は、この法律が制定されたのは、イギリス政府からの要請があってのことだったともいわれています。

国境だけでなく、法律の壁をも超えて見事に結婚に至った南貞助、ライザ夫妻は日本で一緒に暮らしていましたが、結婚10年程で離婚してしまったようです。日本での生活がライザに合わなかったのでしょう。また、二人に子供はいなかったということです。

国際結婚をするにあたっての必要な手続き

日本で最初に国際結婚した夫婦について知ったところで、お次は国際結婚するために必要な手続きについてみていきましょう。昔より身近に感じるようになった国際結婚ですが、現在でも準備する書類や手続きの多さに戸惑う人も多いようです。

国際結婚に必要な書類

①婚姻届

用紙は市役所や区役所の戸籍窓口、もしくはWebでダウンロードし印刷します。国際結婚であっても用紙は全く同じです。配偶者ビザ申請で役立つことがあるかもしれないので、記入した婚姻届けは念のためスマホで撮影しておくことをおすすめします。

②パスポート

外国籍であるパートナーの国籍を証明するために必要です。

③戸籍謄本

住民票がある市区町村以外で婚姻届けを提出する場合に必要です。ただし、日本人側の本籍地と住民票の住所が同じである場合は不要。

④婚姻要件具備証明書

パートナーが母国での結婚要件を満たしていることを証明するものであり、日本人同士の結婚と大きく異なる書類。相手の国の在日大使館か領事館に請求します。パスポートや身分証明書のみでいい場合もあれば、出生証明書や独身証明書が必要な場合など、発行の際に必要な書類や、手数料は国によって違うようです。また、国によっては婚姻要件具備証明書発行制度がない場合も。事前に婚姻要件具備証明書の可否や、発行する場合の必要書類、手数料などを確認するようにしましょう。婚姻要件具備証明書発行制度を持たない国だった場合は、代わりの書類を用意しなければなりません。例えば、発行制度を持たない韓国人と結婚する場合、日本にある韓国大使館から「基本証明書」「家族関係証明書」「婚姻関係証明書」を発行してもらいます。そしてこの3つの証明書を日本語に翻訳して役所に提出します。ちなみに、韓国にある日本大使館で日本人の婚姻要件具備証明書を発行してもらう場合は「3ヵ月以内に取得した日本人の戸籍謄本(女性の場合は100日以内に結婚していなかった事実が確認できる内容のもの)」「3ヵ月以内に取得した韓国人の婚姻関係証明書(日本語訳したもの)」「日本人のパスポート」「韓国人の本人確認できる公的身分証明書(運転免許証などの顔写真付きのもの)」「申請書一通」「手数料」が必要です。

国際結婚の手続きの流れ

まずは、必要書類をすべてそろえ、最寄りの市区町村に提出します。不備がなければ婚姻届受理証明書をもらえるので、それをパートナーの国の在日大使館もしくは領事館に提出するといった流れになります。これが受理されれば結婚成立です。そしてここでも婚姻届受理証明書をもらいます。この証明書は、パートナーが在留資格の変更を申請する際に必要なので紛失しないように大切に保管しましょう。


国際結婚の手続きをスムーズに

いかがでしたでしょうか。

必要書類がたくさんあるのはもちろん、各国で違った決まりもあり…。国際結婚が認められてから長い年月が経っていますが、今でも大変なことに変わりないようです。

そんな国際結婚をスムーズに進めるためにも、分からないことがある場合はすぐに確認し、早め早めに準備することをおすすめします。

 

次回は、「国際結婚をするにあたって話し合っておきたいこと」についてご紹介します。

結婚は人生の分岐点。一生を共にすると決めたからこそ話し合いは必要不可欠ですよね。

 

Text by yumeka

前回:国際結婚のすべてを6回で徹底解説!